一括ファクタリングとは?仕組み・メリット・導入方法を完全解説【2026年最新】
この記事の監修者
FundBridge ファクタリングスペシャリスト
監修者 FundBridge編集部
「手形の管理コストを削減したい…」
「取引先への支払いをもっと効率化できないだろうか…」
「売掛金の回収サイトを短縮して資金繰りを改善したい…」
このような悩みを抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、一括ファクタリングは手形に代わる決済システムとして、支払企業・納入企業の双方にメリットをもたらす仕組みです。
本記事では、以下の情報を詳しく解説していきます。
この記事で分かること
- 一括ファクタリングの仕組みと取引の流れ
- 支払企業・納入企業それぞれのメリット・デメリット
- でんさいや買取型ファクタリングとの違い
- 一括ファクタリングを提供している金融機関一覧
- すぐに資金調達が必要な方向けの代替案
一括ファクタリングについて正しく理解し、自社に最適な資金調達・決済手段を見つけていただければ幸いです。
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【結論】一括ファクタリングとは?30秒でわかる基礎知識
一括ファクタリングとは、支払企業(発注側)が従来の手形決済に代えて導入する、売掛債権を活用した決済システムのことです。経済産業省が推進する「手形廃止」の流れを受けて、多くの企業で導入が進んでいます。
通常のファクタリングと聞くと、「資金繰りに困った企業が売掛金を売却して現金化する」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし、一括ファクタリングはそれとは少し異なる仕組みを持っています。
一括ファクタリングの最大の特徴は、支払企業が主体となって導入するシステムであるという点です。支払企業がファクタリング会社(多くの場合は銀行)と契約を結び、取引先である納入企業への支払いをファクタリング会社経由で行う仕組みとなっています。
一括ファクタリングの定義と仕組みを図解で解説
一括ファクタリングは、正式には「一括支払信託」や「一括決済方式」とも呼ばれる決済システムです。これは貸金業法の規制対象外となる「債権譲渡」に該当するサービスです。
具体的な仕組みを図解で説明しますと、まず支払企業と納入企業の間で通常の商取引(商品・サービスの提供と売掛債権の発生)が行われます。その後、納入企業が保有する売掛債権をファクタリング会社が買い取り、納入企業に代金を支払います。そして支払期日になると、支払企業はファクタリング会社に対して代金を支払う、という流れになります。
つまり、一括ファクタリングとは「支払企業の取引先(納入企業)が保有する売掛債権を、金融機関がまとめて買い取る仕組み」と理解していただければよいでしょう。「一括」という名前は、支払企業の複数の取引先からの売掛債権をまとめて(一括して)処理することに由来しています。
この仕組みにより、納入企業は支払期日を待たずに売掛金を現金化でき、支払企業は手形発行に関する事務コストを削減できるという、双方にとってメリットのある取引が実現するのです。
一括ファクタリングと通常のファクタリング(買取型)の違い
一括ファクタリングと通常のファクタリング(買取型ファクタリング)は、どちらも売掛債権を活用した資金調達・決済手段ですが、いくつかの重要な違いがあります。
最も大きな違いは「誰が主体となって利用するか」という点です。通常の買取型ファクタリングは、資金繰りに困っている納入企業(売掛金を持っている側)が自ら申し込んで利用するサービスです。一方、一括ファクタリングは支払企業(発注側・買い手側)が導入を決定し、その取引先である納入企業が利用できるようになる仕組みです。
また、サービス提供者にも違いがあります。買取型ファクタリングはファクタリング専門会社やノンバンクが提供していることが多いのに対し、一括ファクタリングは主にメガバンクや地方銀行などの金融機関が提供しています。三菱UFJ銀行や三井住友銀行などのメガバンクをはじめ、全国の地方銀行が一括ファクタリングサービスを展開しています。
手数料の面でも違いがあり、一括ファクタリングは銀行が提供していることもあって、一般的に買取型ファクタリングよりも手数料が低く設定されている傾向があります。ただし、一括ファクタリングを利用するためには支払企業が導入していることが前提条件となるため、納入企業が単独で利用を決められないという制約があります。
一括ファクタリングの3つの当事者と役割
一括ファクタリングには、主に3つの当事者が関わっています。それぞれの役割を理解することで、一括ファクタリングの仕組みがより明確になるでしょう。
1つ目は「支払企業」です。
支払企業とは、商品やサービスを発注する側の企業であり、従来は手形を発行して支払いを行っていた立場の企業です。一括ファクタリングでは、支払企業がファクタリング会社と基本契約を締結し、システムの導入を主導します。支払企業にとっては、手形発行業務の廃止によるコスト削減が最大のメリットとなります。
2つ目は「納入企業」です。
納入企業とは、商品やサービスを納入する側の企業であり、売掛債権(売掛金)を保有している立場の企業です。一括ファクタリングでは、納入企業は支払企業が導入したシステムに参加することで、売掛債権を期日前に現金化できるようになります。
3つ目は「ファクタリング会社(金融機関)」です。
一括ファクタリングでは、主に銀行がこの役割を担っています。ファクタリング会社は、支払企業と基本契約を締結した上で、納入企業から売掛債権を買い取り、代金を支払います。そして支払期日には、支払企業から代金を受け取ります。金融機関にとっては、手数料収入を得られるビジネスモデルとなっています。
一括ファクタリングの取引の流れ【6ステップ図解】
一括ファクタリングの取引は、いくつかのステップを経て行われます。
ここでは、実際の取引の流れを6つのステップに分けて詳しく解説していきます。これを理解することで、一括ファクタリングがどのように機能するのかをより深く把握できるでしょう。
ステップ1:支払企業がファクタリング契約を締結
一括ファクタリングの導入は、まず支払企業がファクタリング会社(銀行などの金融機関)と基本契約を締結することから始まります。この契約では、一括ファクタリングの利用条件、手数料率、対象となる取引先の範囲などが定められます。
支払企業は、この契約を締結する際に審査を受けることになります。審査では、支払企業の信用力や財務状況、取引実績などが確認されます。銀行としては、支払期日に確実に代金を回収できるかどうかを判断する必要があるためです。
一括ファクタリングの導入審査では、支払企業の決算書、取引先一覧、支払実績などの書類提出が求められることが一般的です。審査期間は金融機関によって異なりますが、通常は2週間から1ヶ月程度かかることが多いとされています。
基本契約が締結されると、支払企業は取引先である納入企業に対して、一括ファクタリングへの参加を案内することになります。納入企業の参加は任意であり、参加を希望する納入企業のみがシステムを利用できる仕組みとなっています。
ステップ2:商品・サービスの納入と売掛債権の発生
基本契約の締結後、通常の商取引が行われます。納入企業が支払企業に対して商品やサービスを納入し、その対価として売掛債権(売掛金)が発生します。ここまでは、一括ファクタリングを導入していない場合と同じ流れです。
従来の手形決済であれば、この時点で支払企業は納入企業に対して手形を発行していました。しかし、一括ファクタリングでは手形の発行は行われません。代わりに、支払企業からファクタリング会社に対して、売掛債権の情報(債権者名、金額、支払期日など)が通知されます。
この債権情報の通知は、多くの場合オンラインシステムを通じて行われます。支払企業は、取引が発生するたびに、または定期的にまとめて、債権情報をファクタリング会社に登録します。
ステップ3:ファクタリング会社による債権買取・代金支払い
支払企業から債権情報の通知を受けたファクタリング会社は、一括ファクタリングに参加している納入企業に対して、債権買取の案内を行います。納入企業は、この案内を受けて、債権を売却するかどうかを判断します。
納入企業が債権の売却を希望した場合、ファクタリング会社は所定の手数料を差し引いた金額を納入企業に支払います。これにより、納入企業は支払期日を待たずに売掛金を現金化することができます。この「期日前現金化」こそが、納入企業にとっての一括ファクタリング最大のメリットです。
手数料率は金融機関や取引条件によって異なりますが、一般的には年率1%〜5%程度とされています。買取型ファクタリングの手数料(5%〜20%程度)と比較すると、かなり低い水準に抑えられていることがわかります。これは、一括ファクタリングでは支払企業の信用力が基準となるため、リスクが低いと判断されることが理由です。
なお、納入企業が債権の売却を希望しない場合は、従来通り支払期日まで待って、支払企業から直接代金を受け取ることも可能です。一括ファクタリングへの参加は強制ではなく、あくまで納入企業が選択できる仕組みとなっています。
ステップ4:支払企業からファクタリング会社への決済
最後のステップとして、支払期日が到来すると、支払企業はファクタリング会社に対して代金を支払います。ファクタリング会社がすでに納入企業に代金を支払っている場合は、その回収を行うことになります。
支払企業にとっては、従来の手形決済と比較して、支払いのタイミング自体は大きく変わりません。支払期日に代金を支払うという点では同じです。ただし、手形の発行・管理という業務がなくなるため、事務コストの削減につながります。
法務省の管轄する民法においては、一括ファクタリングは「債権譲渡」として位置づけられています。納入企業がファクタリング会社に売掛債権を譲渡し、支払企業はその譲受人であるファクタリング会社に対して支払いを行う、という法的構成になっています。
この仕組みにより、一括ファクタリングは貸金業法の規制対象外となっており、銀行以外の事業者でもサービス提供が可能です。ただし、実際には信用力や資金力の観点から、メガバンクや地方銀行が主なサービス提供者となっています。
一括ファクタリングのメリット【支払企業・納入企業別に解説】
一括ファクタリングには、支払企業と納入企業の双方にとってさまざまなメリットがあります。
ここでは、それぞれの立場から見たメリットを詳しく解説していきます。自社が支払企業の立場なのか、納入企業の立場なのかによって、得られるメリットが異なりますので、ご自身の状況に照らし合わせてお読みください。
支払企業(発注側)の5つのメリット
支払企業が一括ファクタリングを導入することで得られるメリットは、主に5つあります。
1つ目は「手形発行コストの削減」です。
手形を発行するためには、印紙税の負担が必要です。手形金額に応じて、200円から20万円の印紙税が課されます。例えば、1,000万円の手形であれば2,000円、1億円の手形であれば2万円の印紙税がかかります。一括ファクタリングを導入すれば、この印紙税負担がゼロになります。大量の手形を発行している企業にとっては、年間で数百万円から数千万円のコスト削減につながることもあります。
2つ目は「事務作業の効率化」です。
手形を発行するためには、手形用紙の管理、記入、押印、郵送といった一連の事務作業が必要です。また、発行した手形の管理台帳を作成し、期日管理を行う必要もあります。一括ファクタリングでは、これらの業務がすべて不要になります。支払情報をオンラインで登録するだけで済むため、経理部門の業務負担を大幅に軽減できます。
3つ目は「紛失・盗難リスクの排除」です。
紙の手形は、紛失や盗難のリスクがあります。手形を紛失した場合、除権決定の手続きを行う必要があり、時間とコストがかかります。一括ファクタリングは電子的な債権管理であるため、このようなリスクがありません。
4つ目は「取引先との関係強化」です。
一括ファクタリングを導入することで、取引先である納入企業に対して、期日前現金化という選択肢を提供できます。これは、納入企業の資金繰りを支援することにつながり、取引関係の強化に寄与します。特に中小企業の納入先にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
5つ目は「企業イメージの向上」です。
経済産業省が推進する「手形廃止」の流れに沿った取り組みとして、一括ファクタリングの導入は企業のイメージアップにつながります。サプライチェーン全体の効率化に貢献する姿勢を示すことで、取引先や株主からの評価向上が期待できます。
納入企業(受注側)の4つのメリット
一括ファクタリングに参加する納入企業にとっても、多くのメリットがあります。
1つ目は「売掛金の早期現金化」です。
通常、売掛金は支払期日まで待たないと現金化できません。しかし、一括ファクタリングを利用すれば、支払期日を待たずに売掛債権をファクタリング会社に売却し、現金を受け取ることができます。資金繰りに余裕がない時期でも、必要な資金を調達できるのは大きなメリットです。
2つ目は「手数料の低さ」です。
一括ファクタリングの手数料は、一般的に年率1%〜5%程度と、買取型ファクタリング(5%〜20%程度)と比較して低く抑えられています。これは、一括ファクタリングでは支払企業の信用力が審査の基準となるため、リスクが低いと判断されることが理由です。手数料が低い分、納入企業の手取り額が増えることになります。
3つ目は「審査のハードルの低さ」です。
買取型ファクタリングでは、納入企業自身の信用力や財務状況が審査されます。しかし、一括ファクタリングでは、主に支払企業の信用力が審査対象となるため、納入企業の審査ハードルは比較的低くなっています。自社の財務状況に不安がある企業でも、支払企業の信用力が高ければ利用しやすいという特徴があります。
4つ目は「手形管理業務からの解放」です。
従来の手形決済では、納入企業も受け取った手形の管理が必要でした。手形の保管、期日管理、銀行への取立依頼といった業務が発生します。一括ファクタリングでは手形が発行されないため、これらの業務が不要になります。経理部門の業務効率化につながるメリットがあります。
両社にとっての共通メリット:取引関係の安定化
一括ファクタリングには、支払企業と納入企業の双方にとっての共通メリットもあります。
それは「取引関係の安定化」です。
手形決済の場合、支払企業が不渡りを出すと、納入企業は売掛金を回収できなくなるリスクがあります。しかし、一括ファクタリングでは、納入企業がすでにファクタリング会社から代金を受け取っている場合、支払企業の経営状況にかかわらず資金を確保できます。多くの一括ファクタリングは「償還請求権なし(ノンリコース)」の契約となっているため、支払企業が倒産しても納入企業に返還義務は生じません。
取引先の倒産による連鎖倒産は、中小企業にとって大きなリスクとされています。一括ファクタリングを活用することで、このリスクを軽減できるのは、納入企業にとって非常に大きなメリットと言えるでしょう。
また、支払企業にとっても、納入企業の資金繰りが安定することで、安定的な取引関係を維持できるというメリットがあります。納入企業が資金繰りに困って納品が遅延したり、最悪の場合は倒産したりするリスクを軽減できます。サプライチェーン全体の安定化につながる仕組みとして、一括ファクタリングは有効な手段と言えます。
一括ファクタリングのデメリット・注意点【導入前に確認】
一括ファクタリングには多くのメリットがある一方で、デメリットや注意点も存在します。導入を検討する際には、これらの点も十分に理解しておくことが重要です。
ここでは、支払企業側と納入企業側それぞれのデメリットを解説します。
支払企業側のデメリット:資金繰り負担と導入コスト
支払企業が一括ファクタリングを導入する際に考慮すべきデメリットがいくつかあります。
1つ目は「資金繰りへの影響」です。
手形決済の場合、手形の振出日から支払期日までの間、支払企業は資金を手元に置いておくことができました。しかし、一括ファクタリングでは、納入企業がファクタリング会社に債権を売却した時点で、支払義務が確定します。支払期日自体は変わりませんが、手形決済と比較して資金繰りの自由度がやや低下する場合があります。
2つ目は「導入・運用コスト」です。
一括ファクタリングを導入するためには、システムの構築や運用にかかるコストが発生します。金融機関によっては、月額の基本料金や取引手数料が設定されていることもあります。ただし、これらのコストは、手形発行に伴う印紙税や事務コストの削減効果と比較して検討する必要があります。多くの場合、総合的にはコスト削減につながるとされています。
3つ目は「取引先への周知・説明」です。
一括ファクタリングを導入する際には、取引先である納入企業に対して、制度の説明や参加の案内を行う必要があります。取引先が多い企業の場合、この周知・説明作業には一定の労力がかかります。また、すべての取引先が参加に同意するとは限らないため、一部の取引先とは従来通りの決済方法を併用する必要が生じる可能性もあります。
納入企業側のデメリット:導入決定権がない・手数料負担
納入企業にとっても、一括ファクタリングにはいくつかのデメリットがあります。
1つ目は「導入を自社で決められない」という点です。
これは一括ファクタリング最大のデメリットと言えるかもしれません。一括ファクタリングは、支払企業が導入を決定するシステムです。納入企業がいくら一括ファクタリングを利用したいと思っても、支払企業が導入していなければ利用できません。自社の意思だけで資金調達手段を選べない点は、大きな制約となります。
2つ目は「手数料負担」です。
一括ファクタリングの手数料は、基本的に債権を売却する納入企業が負担します。手数料率は年率1%〜5%程度と比較的低いですが、それでも手数料分だけ受取額が減少することになります。支払期日まで待てば満額受け取れるところ、早期現金化のために手数料を支払う必要があるのです。資金繰りに余裕がある場合は、あえて売却せずに支払期日を待つという選択肢もあります。
3つ目は「すべての売掛金に使えるわけではない」という点です。
一括ファクタリングは、支払企業が導入しているシステムでしか利用できません。複数の取引先がある納入企業の場合、一括ファクタリングが使える取引先と使えない取引先が混在することになります。資金繰り管理が複雑になる可能性があるため、注意が必要です。
一括ファクタリングが向いていない企業の特徴
一括ファクタリングは優れた仕組みですが、すべての企業に適しているわけではありません。
以下のような特徴を持つ企業は、一括ファクタリングが向いていない可能性があります。
支払企業の立場で向いていないケースとしては、まず取引先が少ない企業が挙げられます。一括ファクタリングのメリットを最大限に享受するためには、ある程度の取引件数が必要です。取引先が数社しかない場合、導入コストに見合うメリットが得られない可能性があります。また、手形発行件数が少ない企業も同様です。年間の手形発行枚数が少なければ、印紙税削減効果も限定的となります。
納入企業の立場で向いていないケースとしては、支払企業が一括ファクタリングを導入していない場合が該当します。この場合、そもそも一括ファクタリングを利用することができません。また、資金繰りに余裕があり、手数料を払ってまで早期現金化する必要がない企業も、一括ファクタリングを積極的に活用する必要性は低いでしょう。
急いで資金調達が必要な納入企業で、支払企業が一括ファクタリングを導入していない場合は、後述する「買取型ファクタリング」の利用を検討されることをおすすめします。買取型ファクタリングであれば、支払企業の導入状況に関係なく、納入企業が自社の判断で利用することができます。
一括ファクタリングと「でんさい」の違いを徹底比較
一括ファクタリングと並んで、手形に代わる決済手段として注目されているのが「でんさい(電子記録債権)」です。どちらも手形廃止の流れを受けて普及が進んでいますが、その仕組みや特徴には違いがあります。
ここでは、両者の違いを詳しく解説していきます。
でんさい(電子記録債権)とは?
でんさいとは、電子記録債権のことで、手形や売掛債権を電子的に記録・管理するシステムです。全国銀行協会が設立した「株式会社全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)」が運営しています。
でんさいの仕組みを簡単に説明すると、従来の紙の手形に代わって、電子的な記録により債権を発生・譲渡・決済することができるシステムです。支払企業が「でんさい」を発生させると、納入企業は電子的に債権を保有することになります。納入企業は、この債権を支払期日まで保有することも、他社に譲渡することも、金融機関に割引してもらうこともできます。
でんさいの最大の特徴は、全国の金融機関が参加するネットワークを通じて、統一的な仕組みで運用されている点です。異なる金融機関間でも、でんさいのやり取りが可能であり、利便性が高い仕組みとなっています。経済産業省も、でんさいの普及を手形廃止に向けた重要な施策として推進しています。
一括ファクタリングとでんさいの比較表
一括ファクタリングとでんさいには、いくつかの重要な違いがあります。以下の比較表で整理します。
| 比較項目 | 一括ファクタリング | でんさい |
|---|---|---|
| 運営主体 | 各金融機関が個別に提供 | でんさいネット(全国銀行協会設立) |
| 導入主体 | 支払企業が主導 | 支払企業・納入企業双方が利用契約を締結 |
| 早期現金化 | ファクタリング会社への債権売却 | 金融機関での割引、または他社への譲渡 |
| 手数料負担者 | 主に納入企業 | 利用形態により異なる |
| 審査基準 | 支払企業の信用力が重視 | 支払企業の信用力が重視 |
| 全国統一性 | 金融機関ごとに仕組みが異なる | 全国統一の仕組み |
| 導入の手間 | 支払企業のみが契約すれば利用可能 | 支払企業・納入企業双方が契約必要 |
この比較表からわかるように、両者にはそれぞれ特徴があります。一括ファクタリングは、支払企業が導入を主導するため、納入企業は支払企業が参加していれば利用しやすいというメリットがあります。一方、でんさいは全国統一の仕組みであるため、一度導入すれば多くの取引先との間で利用できる可能性がある点がメリットです。
どちらを選ぶべき?企業タイプ別の判断基準
一括ファクタリングとでんさい、どちらを選ぶべきかは、企業の状況によって異なります。
以下に、企業タイプ別の判断基準を示します。
一括ファクタリングが向いている企業は、まず特定の支払企業との取引が多い納入企業です。主要な取引先が一括ファクタリングを導入していれば、その取引先からの売掛金を効率的に現金化できます。また、システム導入のコストを抑えたい納入企業にも向いています。一括ファクタリングは、支払企業がシステムを導入していれば、納入企業側の導入コストは比較的低く抑えられます。
でんさいが向いている企業は、まず多くの取引先と広く取引がある企業です。でんさいは全国統一のネットワークであるため、一度導入すれば多くの取引先との間で利用できます。また、債権を他社に譲渡する可能性がある企業にも向いています。でんさいは分割して譲渡することもできるため、資金調達の柔軟性が高いです。
ただし、実際には一括ファクタリングとでんさいのどちらか一方を選ぶというよりも、両方を併用するケースも多くあります。取引先の状況に応じて、最適な決済手段を選択することが重要です。
なお、三菱UFJ銀行の「でんさい一括ファクタリング(でん括)」のように、でんさいと一括ファクタリングを組み合わせたサービスも登場しています。でんさいを支払手段とした上で、ファクタリングによる早期現金化も可能にした仕組みであり、両者のメリットを組み合わせた形態と言えます。
一括ファクタリングと買取型ファクタリングの違い【選び方ガイド】
一括ファクタリングと買取型ファクタリングは、どちらも「ファクタリング」という名前がついていますが、その性質は大きく異なります。
ここでは、両者の違いを詳しく解説し、状況に応じた選び方のガイドを提供します。
利用主体の違い:支払企業 vs 納入企業
一括ファクタリングと買取型ファクタリングの最も大きな違いは、誰が利用を主導するかという点です。
一括ファクタリングは、先に述べた通り、支払企業が主導して導入するシステムです。支払企業がファクタリング会社と契約を結び、その取引先である納入企業が参加することで利用できるようになります。納入企業は、支払企業が導入していなければ一括ファクタリングを利用することができません。
一方、買取型ファクタリングは、納入企業が自らの判断で利用できるサービスです。売掛金を持っている納入企業が、ファクタリング会社に申し込んで売掛債権を売却し、現金を受け取ります。支払企業の許可や導入は必要なく、納入企業が単独で利用を決定できます。
この違いは非常に重要です。「今すぐ資金が必要だが、取引先が一括ファクタリングを導入していない」という場合、一括ファクタリングは利用できません。このような状況では、買取型ファクタリングが選択肢となります。
審査・契約の違い:導入ハードルを比較
審査や契約の面でも、一括ファクタリングと買取型ファクタリングには違いがあります。
一括ファクタリングの場合、主な審査対象は支払企業です。支払企業の信用力や財務状況が審査され、問題がなければ導入が承認されます。納入企業に対する審査は比較的簡易で、支払企業が導入しているシステムに参加するという形になります。そのため、納入企業側の審査ハードルは低めです。
買取型ファクタリングの場合、審査対象は主に「売掛先(支払企業)の信用力」と「売掛債権の実在性」です。納入企業自身の信用力も確認されますが、それ以上に売掛先の支払能力が重視されます。東京商工リサーチなどの信用調査機関のデータが活用されることもあります。
契約形態にも違いがあります。一括ファクタリングは、支払企業とファクタリング会社の間で基本契約が締結され、納入企業は参加契約を結ぶ形が一般的です。買取型ファクタリングは、納入企業とファクタリング会社の間で直接契約が締結されます。
手数料・コストの違い
手数料やコストの面でも、両者には大きな違いがあります。
一括ファクタリングの手数料は、一般的に年率1%〜5%程度です。銀行など信用力の高い金融機関がサービスを提供していること、支払企業の信用力が基準となることから、リスクが低いと判断され、手数料が抑えられています。
買取型ファクタリングの手数料は、2社間取引で5%〜20%程度、3社間取引で1%〜9%程度が相場とされています。2社間取引の場合、売掛先に通知せずに取引を行うため、ファクタリング会社にとってリスクが高く、手数料も高くなる傾向があります。
この手数料の差は、コスト面で一括ファクタリングが有利であることを示しています。ただし、一括ファクタリングは利用できる状況が限定されるため、単純に手数料だけで比較することはできません。買取型ファクタリングの「いつでも自社の判断で利用できる」という柔軟性には、相応の価値があります。
【状況別】おすすめの選び方チャート
状況に応じて、どちらのファクタリングを選ぶべきかを判断するためのチャートを示します。
Q1: 取引先(支払企業)が一括ファクタリングを導入していますか?
- はい → 一括ファクタリングの利用を検討(手数料が低い)
- いいえ → Q2へ
Q2: 資金調達は急いでいますか(即日〜数日以内)?
- はい → 買取型ファクタリングがおすすめ(最短即日で資金調達可能)
- いいえ → Q3へ
Q3: 取引先に知られずに資金調達したいですか?
- はい → 2社間ファクタリング(買取型)がおすすめ
- いいえ → 3社間ファクタリング(買取型)も選択肢(手数料が低め)
このように、一括ファクタリングと買取型ファクタリングは、状況に応じて使い分けることが重要です。一括ファクタリングが利用できる環境にあれば、手数料の低さからそちらを優先的に検討し、利用できない場合や緊急性が高い場合は買取型ファクタリングを活用するという判断が合理的です。
一括ファクタリングを提供している金融機関一覧【2026年版】
一括ファクタリングは、主に銀行などの金融機関が提供しています。
ここでは、2026年現在、一括ファクタリングサービスを提供している主な金融機関を紹介します。導入を検討されている支払企業の方や、取引先が導入しているか確認したい納入企業の方の参考になれば幸いです。
メガバンクの一括ファクタリングサービス
日本の三大メガバンクは、いずれも一括ファクタリングサービスを提供しています。
三菱UFJ銀行は、「でんさい一括ファクタリング(でん括)」というサービスを提供しています。でんさい(電子記録債権)を活用した一括ファクタリングであり、でんさいを支払手段とした上で、ファクタリングによる早期現金化も可能にした仕組みです。でんさい導入と同様のメリット(印紙税削減、事務効率化など)に加え、納入企業への早期資金化オプションも提供できる点が特徴です。
三井住友銀行は、「でんさいファクタリング支払サービス」を提供しています。こちらも、でんさいとファクタリングを組み合わせたサービスであり、支払企業の手形削減ニーズと、納入企業の資金調達ニーズの両方に対応しています。大企業を中心に多くの導入実績があります。
みずほ銀行も一括ファクタリングサービスを提供しており、大手企業を中心に幅広く導入されています。各メガバンクのサービス内容は似ていますが、手数料率や対応範囲などの細部に違いがあるため、導入を検討する際には複数の銀行に相談して比較検討することをおすすめします。
地方銀行の一括ファクタリングサービス
メガバンクだけでなく、全国の地方銀行も一括ファクタリングサービスを提供しています。地元の取引先が多い企業にとっては、地方銀行のサービスが使いやすい場合もあります。
百十四銀行は、「一括ファクタリングシステム」を提供しています。香川県を中心とした四国地方の企業向けに、手形発行事務の軽減、印紙税の削減などのメリットを提供しています。
静岡銀行も、「一括ファクタリングシステム」を提供しており、静岡県内の企業を中心に導入が進んでいます。手形レスニーズに対応し、決済事務の効率化を支援しています。
北洋銀行は、「北洋一括ファクタリングシステム」を提供しています。北海道内の企業向けに、手形に代わる決済システムとして活用されています。
山梨中央銀行、足利銀行、十六銀行、四国銀行、もみじ銀行、北九州銀行など、全国各地の地方銀行が一括ファクタリングサービスを提供しています。
地方銀行のサービスを利用するメリットとしては、地元企業とのつながりが強いため、導入時のサポートが手厚いことが挙げられます。また、メガバンクと比較して、中小企業への対応に慣れている場合も多いです。
ノンバンク・ファクタリング専門会社のサービス
一括ファクタリングは主に銀行が提供していますが、セイノーフィナンシャルのようなノンバンクも「一括ファクタリングサービス」を提供しています。セイノーグループの金融サービス会社として、物流業界を中心にサービスを展開しています。
ただし、ノンバンクが提供する一括ファクタリングは、銀行のサービスと比較すると数が限られています。これは、一括ファクタリングでは支払企業の信用力が重要であり、その審査や管理には相応の体制が必要となるためです。銀行は既存の融資審査のノウハウを活用できるため、一括ファクタリングサービスを提供しやすいという背景があります。
なお、ファクタリング専門会社(ビートレーディング、OLTA、ペイトナーなど)が提供しているのは、主に「買取型ファクタリング」です。一括ファクタリングとは異なるサービスですので、混同しないようご注意ください。
一括ファクタリングの導入方法と必要書類
一括ファクタリングの導入を検討している支払企業の方向けに、導入の流れと必要書類について解説します。納入企業の方も、取引先がどのような手続きを経て導入しているのかを理解しておくと、参加時の対応がスムーズになるでしょう。
導入までの流れ(支払企業向け)
一括ファクタリングの導入は、以下のような流れで進みます。
ステップ1:金融機関への相談・問い合わせ
まず、取引のあるメインバンクや、導入を希望する金融機関に相談します。一括ファクタリングの概要説明を受け、自社での導入が可能かどうかの初期判断を行います。複数の金融機関に相談して、サービス内容や手数料を比較検討することをおすすめします。
ステップ2:審査申込・必要書類の提出
導入を希望する金融機関が決まったら、正式に審査申込を行います。後述する必要書類を提出し、金融機関による審査を受けます。審査では、支払企業の信用力、財務状況、取引実績などが確認されます。
ステップ3:審査・契約締結
金融機関による審査が行われ、問題がなければ基本契約が締結されます。契約では、一括ファクタリングの利用条件、手数料率、対象となる取引先の範囲などが定められます。審査期間は金融機関によって異なりますが、通常2週間〜1ヶ月程度かかることが多いです。
ステップ4:システム設定・テスト
契約締結後、一括ファクタリングのシステム設定を行います。債権情報の登録方法、支払いの流れなどを確認し、必要に応じてテスト運用を行います。
ステップ5:取引先への案内・参加募集
システムの準備が整ったら、取引先である納入企業に対して、一括ファクタリングへの参加を案内します。参加は任意であり、希望する納入企業のみが参加する形となります。
ステップ6:運用開始
納入企業の参加手続きが完了したら、一括ファクタリングの運用を開始します。商取引が発生するごとに、債権情報をシステムに登録し、ファクタリング会社を通じた決済が行われるようになります。
必要書類一覧
一括ファクタリングの審査申込時に必要となる書類は、金融機関によって異なりますが、一般的には以下のような書類が求められます。
1. 会社概要に関する書類
- 会社概要書(パンフレットなど)
- 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 定款の写し
- 株主名簿(主要株主の確認のため)
2. 財務状況に関する書類
- 決算書(直近2〜3期分)
- 試算表(直近のもの)
- 事業計画書(必要に応じて)
3. 取引に関する書類
- 取引先一覧(一括ファクタリングの対象となる納入企業のリスト)
- 過去の支払実績
- 現在の支払条件(支払サイト、支払方法など)
4. 本人確認に関する書類
- 代表者の本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 印鑑証明書
必要書類の詳細は、申込先の金融機関に確認してください。また、法務省が管理する登記情報は、登記情報提供サービスを通じてオンラインで取得することもできます。
審査のポイントと通過率を上げるコツ
一括ファクタリングの審査に通過するためのポイントをいくつか紹介します。
1. 財務状況の安定性
審査では、支払企業の財務状況が重視されます。直近の決算が黒字であること、債務超過でないこと、キャッシュフローが安定していることなどが評価ポイントとなります。財務状況に不安がある場合は、事前に金融機関に相談し、どのような対応が可能か確認しておくとよいでしょう。
2. 取引実績の充実
長期間にわたって安定した取引実績があることも、審査にプラスに働きます。取引先との取引年数、支払いの遅延がないことなどをアピールできると良いでしょう。
3. メインバンクとの関係
一括ファクタリングは、メインバンクに相談するのが一般的です。既存の融資取引や口座取引がある銀行であれば、自社の状況を理解してもらいやすく、審査もスムーズに進む傾向があります。
4. 導入目的の明確化
なぜ一括ファクタリングを導入したいのか、その目的を明確に説明できるようにしておきましょう。「手形発行コストの削減」「事務効率化」「取引先との関係強化」など、具体的な目的を示すことで、金融機関も提案がしやすくなります。
【代替案】すぐに資金が必要な方へ:買取型ファクタリングの活用
ここまで一括ファクタリングについて詳しく解説してきましたが、一括ファクタリングは支払企業が導入していなければ利用できないという制約があります。「今すぐ資金が必要だが、取引先が一括ファクタリングを導入していない」という方には、買取型ファクタリングが有効な選択肢となります。
最短即日で資金調達できる買取型ファクタリングとは
買取型ファクタリングとは、納入企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却して現金化するサービスです。一括ファクタリングとは異なり、納入企業が自らの判断で利用できるのが最大の特徴です。
買取型ファクタリングには、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類があります。
2社間ファクタリングは、納入企業とファクタリング会社の2者間で取引を行う方式です。売掛先(支払企業)に通知する必要がないため、取引先に知られずに資金調達できるメリットがあります。ただし、ファクタリング会社にとってリスクが高いため、手数料は5%〜20%程度と高めに設定されています。
3社間ファクタリングは、納入企業、ファクタリング会社、売掛先(支払企業)の3者間で取引を行う方式です。売掛先に債権譲渡の通知を行い、同意を得た上で取引します。手数料は1%〜9%程度と、2社間よりも低く抑えられますが、売掛先に知られてしまうというデメリットがあります。
買取型ファクタリングの大きなメリットは、最短即日で資金調達が可能という点です。急な資金需要に対応できるため、キャッシュフローに困っている企業にとって心強い味方となります。
おすすめの買取型ファクタリング会社5選
買取型ファクタリングを検討されている方向けに、おすすめのファクタリング会社を5社紹介します。いずれも実績があり、信頼性の高い会社です。
1. ビートレーディング
累計取引額が業界トップクラスのファクタリング会社です。最短2時間での入金実績があり、手数料も業界最安水準(2%〜)を謳っています。2社間・3社間の両方に対応しており、オンライン完結も可能です。個人事業主から法人まで幅広く対応しています。
2. OLTA(オルタ)
クラウドファクタリングのパイオニアとして知られる会社です。オンライン完結型のサービスで、AI審査により最短即日での資金調達が可能です。手数料は2%〜9%と比較的低く、利用のハードルが低いのが特徴です。
3. ペイトナーファクタリング
フリーランス・個人事業主に特化したファクタリングサービスです。少額(1万円〜)から利用可能で、オンラインで簡単に申し込めます。審査も簡易で、最短60分での入金実績があります。
4. ラボル
フリーランス・個人事業主向けのファクタリングサービスで、24時間365日いつでも申込可能です。最短60分での振込に対応しており、急な資金需要にも対応できます。
5. 日本中小企業金融サポート機構
一般社団法人が運営する非営利のファクタリングサービスです。日本中小企業金融サポート機構は、中小企業の資金調達支援を目的としており、手数料が比較的低く抑えられています。法人・個人事業主の両方に対応しています。
一括査定サイトを活用した効率的な会社選び
複数のファクタリング会社を比較検討したい場合は、一括査定サイトの活用がおすすめです。一度の申し込みで複数の会社から見積もりを取得でき、手数料や条件を比較検討できます。
代表的な一括査定サイトとしては、「ファクログ」「Payなび」「チョウタツ王」「資金調達プロ」などがあります。これらのサイトでは、審査通過率の高い優良ファクタリング会社が登録されており、安心して比較検討できます。
ただし、一括査定サイトを利用すると、複数の会社から営業電話がかかってくる可能性があります。連絡希望時間を指定できるサイトを選ぶと、業務への影響を最小限に抑えられます。
よくある質問(FAQ)
一括ファクタリングについて、よく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 一括ファクタリングと通常のファクタリングはどちらが手数料が安い?
A: 一般的に、一括ファクタリングの方が手数料は安いです。
一括ファクタリングの手数料は年率1%〜5%程度、買取型ファクタリング(2社間)は5%〜20%程度が相場です。一括ファクタリングは銀行などの金融機関が提供しており、支払企業の信用力が基準となるため、リスクが低いと判断されて手数料が抑えられています。
ただし、一括ファクタリングは支払企業が導入していなければ利用できないため、常に選択できるわけではありません。利用可能な状況であれば一括ファクタリングを優先し、そうでなければ買取型ファクタリングを検討するのが合理的です。
Q2. 個人事業主でも一括ファクタリングは利用できる?
A: 納入企業として参加することは可能ですが、支払企業として導入するのは難しい場合が多いです。
一括ファクタリングは、支払企業が主導して導入するシステムです。支払企業としての導入には、一定の企業規模や信用力が求められるため、個人事業主が導入するケースは稀です。
ただし、取引先(支払企業)が一括ファクタリングを導入していれば、個人事業主でも納入企業として参加し、売掛債権の早期現金化を利用できる可能性があります。取引先に確認してみることをおすすめします。
個人事業主が自らの判断で資金調達したい場合は、買取型ファクタリングの利用を検討してください。ペイトナーファクタリングやラボルなど、個人事業主・フリーランス向けのサービスが充実しています。
Q3. 一括ファクタリングの審査に落ちることはある?
A: はい、審査に落ちる可能性はあります。
一括ファクタリングの導入審査では、支払企業の信用力や財務状況が重視されます。
以下のような場合は、審査に落ちる可能性があります。
- 直近の決算が大幅な赤字の場合
- 債務超過の状態にある場合
- 過去に支払い遅延や不渡りの履歴がある場合
- 設立間もない企業で取引実績が少ない場合
審査に不安がある場合は、事前に金融機関に相談し、どのような対応が可能か確認しておくことをおすすめします。
Q4. 一括ファクタリングは信用情報に影響する?
A: 一括ファクタリングは借入ではないため、信用情報機関(CIC、JICCなど)に登録されることはありません。
一括ファクタリングは、民法上の「債権譲渡」に該当するサービスであり、貸金業法の規制対象外です。銀行融資やカードローンのような「借入」ではないため、信用情報に影響を与えることはありません。
ただし、支払企業が一括ファクタリングを導入する際の審査では、金融機関が信用情報を参照する可能性はあります。また、ファクタリング会社への支払いが遅延した場合は、取引上の問題として記録される可能性があります。
Q5. 取引先にバレずに資金調達したい場合はどうすれば?
A: 一括ファクタリングは取引先(支払企業)が導入するシステムのため、「バレる」という概念はありません。取引先に知られずに資金調達したい場合は、2社間ファクタリング(買取型)をご検討ください。
2社間ファクタリングは、納入企業とファクタリング会社の2者間で取引を行い、売掛先(支払企業)には通知しません。そのため、取引先に知られずに売掛債権を現金化することができます。
ただし、2社間ファクタリングは手数料が高め(5%〜20%程度)です。取引先に知られても問題ない場合は、手数料が低い3社間ファクタリングや、一括ファクタリング(取引先が導入している場合)を検討してください。
まとめ:一括ファクタリングで賢く資金繰りを改善する方法
本記事では、一括ファクタリングの仕組みからメリット・デメリット、導入方法、そして代替手段まで、詳しく解説してきました。
最後に、ポイントを整理してお伝えします。
一括ファクタリングとは、支払企業が主導して導入する、手形に代わる決済システムです。支払企業の取引先(納入企業)が保有する売掛債権を、金融機関がまとめて買い取る仕組みとなっています。
一括ファクタリングのメリットは、支払企業にとっては手形発行コストの削減や事務効率化、納入企業にとっては売掛金の早期現金化や低い手数料などがあります。
一括ファクタリングのデメリットは、納入企業にとっては導入を自社で決められないこと、支払企業にとっては導入コストや取引先への周知の手間などがあります。
資金繰りを改善したい方へのおすすめアクション
- 取引先が一括ファクタリングを導入している場合 → 参加を検討し、必要に応じて売掛債権の早期現金化を活用しましょう。手数料が低いため、資金繰り改善に効果的です。
- 支払企業として導入を検討している場合 → メインバンクに相談し、導入のメリットとコストを比較検討しましょう。取引件数が多い企業ほど、コスト削減効果が大きくなります。
- 今すぐ資金が必要で、一括ファクタリングが利用できない場合 → 買取型ファクタリングを検討しましょう。最短即日で資金調達でき、納入企業が自らの判断で利用できます。
一括ファクタリングは、手形廃止の流れを受けて今後ますます普及が進むと予想されます。
自社の状況に合わせて、一括ファクタリングや買取型ファクタリングを賢く活用し、キャッシュフローの改善にお役立てください。
本記事が、皆さまの資金繰り改善のお役に立てば幸いです。