2社間と3社間ファクタリングの違い・通知・選び方
「取引先へ知られずに急ぐなら2社間、取引先の協力を得て費用を抑えるなら3社間」が基本的な選び方です。
ただし、違いは連絡の有無だけではありません。
売掛先が契約へ加わるか、支払日に誰が代金を受け取るか、回収金を誰が管理するかまで変わります。
2社間では、利用者とファクタリング会社が契約し、売掛先は原則として手続きへ加わりません。
3社間では売掛先への連絡と協力が必要になり、支払期日は売掛先からファクタリング会社へ直接送金します。
資金が必要な日までに売掛先の社内手続きを終えられるか、手数料差が待つ時間に見合うかを並べて決めましょう。
方式ごとに対応する会社と条件が違います。主な会社の手数料、入金速度、必要書類は、FundBridgeの会社比較にまとまっており、一社の表示条件だけで決める必要はありません。
| 最初に知りたいこと | 先に知っておく答え |
|---|---|
| 2社間と3社間の最大の違いは何か | 売掛先が契約と支払いの流れへ加わるかどうかです |
| 取引先へ知られないのはどちらか | 2社間は原則として売掛先への連絡なしで進みます。ただし、契約条件や登記、支払いの遅れによって知られる可能性は残ります |
| 入金が早いのはどちらか | 売掛先の承諾を待たない2社間が早い傾向ですが、実際の日数は会社と審査状況で変わります |
| 手数料を抑えやすいのはどちらか | 売掛先から直接回収できる3社間のほうが低くなりやすい傾向です |
| 支払日に利用者が送金するのはどちらか | 2社間です。売掛先から受け取った回収金を契約どおりファクタリング会社へ送ります |
| どちらを選べばよいか | 資金必要日、売掛先の協力、手数料差、支払日の管理負担を同じ表で比べます |
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2社間と3社間は契約相手と支払先が違う

2社間と3社間はどちらも売掛債権を期日前に現金化しますが、契約に関わる当事者と売掛代金の回収経路は同じではありません。
| 比較項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
|---|---|---|
| 主な当事者 | 利用者、ファクタリング会社 | 利用者、ファクタリング会社、売掛先 |
| 売掛先への連絡 | 原則なし | 必要 |
| 売掛先の承諾 | 原則として契約時は求めない | 売掛先の協力を得て進める |
| ファクタリング会社から利用者への支払い | 債権譲渡契約後に買取代金を支払う | 売掛先の確認や承諾を経て買取代金を支払う |
| 売掛金の支払先 | いったん利用者へ入り、その後ファクタリング会社へ送金 | 売掛先からファクタリング会社へ直接支払う |
| 入金までの傾向 | 売掛先の手続きを待たない分、早い | 売掛先の確認と社内承認の分、時間を要しやすい |
| 手数料の傾向 | 高くなりやすい | 低くなりやすい |
| 利用者の支払日管理 | 回収金の分別と送金が必要 | 原則として回収金の送金は不要 |
ビートレーディングの公式FAQも、2社間は利用者と同社で契約するため売掛先への連絡が原則不要、3社間は売掛先を含む契約なので連絡が必要と説明しています。
これは同社のサービス説明ですが、契約当事者を見分ける基本線として使えます。
2社間の「2社」は、自社と売掛先を指すのではありません。
売掛債権を売る利用者と、買い取るファクタリング会社の二者です。
3社間になると、売掛金を支払う取引先が加わります。
この三者目を、自社と取引する顧客以外の会社と取り違えてはいけません。
ファクタリングそのものの位置付けや融資との違いを先に確認したい場合は、ファクタリングの仕組みと利用判断から読むと、今回の比較をつかみやすくなります。
支払期日までの流れを5場面で比べる
契約日の入金だけを見ると、支払期日の作業を見落とします。
誰の仕事がいつ増えるのかは、申込みから回収までを五つの場面に分けなければ見えません。
| 場面 | 2社間の流れ | 3社間の流れ |
|---|---|---|
| 1. 申込み | 利用者が請求書、入出金明細などを提出 | 利用者が資料を提出し、売掛先へ協力を相談 |
| 2. 債権確認 | ファクタリング会社が資料や取引履歴を確認 | 売掛先への照会を含めて債権を確認 |
| 3. 契約と買取代金 | 利用者とファクタリング会社が契約し、利用者が買取代金を受領 | 三者の手続きを終え、利用者が買取代金を受領 |
| 4. 売掛金の支払日 | 売掛先が従来どおり利用者へ支払う | 売掛先がファクタリング会社へ直接支払う |
| 5. 回収の完了 | 利用者が受け取った回収金をファクタリング会社へ送金 | 売掛先の直接支払いで完了 |
たとえば、7月22日に100万円の売掛債権を売り、元の支払日が8月31日だとします。
2社間では、7月中に買取代金を受け取った後も、8月31日に入る100万円を別管理し、契約で定めた日までに送金する仕事が残ります。
この100万円は、同月の仕入れや給与へ使える新しい売上ではありません。
3社間では、8月31日の100万円は売掛先からファクタリング会社へ直接振り込まれます。
利用者の口座を通らないため、回収金を取り分けて送る作業はありません。
その代わり、契約前に売掛先へ事情と振込先変更を説明し、支払い担当者まで手続きを通す必要があります。
同じ「早期に現金化できた」という結果でも、資金化の前に仕事が増えるのが3社間、資金化の後に回収金管理が残るのが2社間です。
通知・承諾は契約の成立と対抗要件を分けて考える
「売掛先の承諾がなければ、債権を売る契約そのものが成立しない」と考えると、2社間の仕組みを正しく理解できません。
債権を売る利用者と買うファクタリング会社の契約と、その譲渡を売掛先やほかの債権者へ主張するための手続は別です。
民法第467条では、債権譲渡を債務者や第三者へ対抗するには、譲渡人から債務者への通知または債務者の承諾が必要とされています。
債務者以外の第三者へ対抗するには、確定日付のある証書による通知または承諾が必要です。
ここでいう対抗とは、売掛先や二重譲受人などに対して「この債権は自社へ移った」と法的に主張できる状態を指します。
契約書へ署名したことと、誰に対しても譲受人の権利を主張できることは同じではありません。
国税庁の債権譲渡通知書に関する説明も、債権譲渡契約は債権者と譲受人の契約であり、債務者への通知や承諾によって契約が成立するものではないと整理しています。
3社間では、売掛先へ債権譲渡を知らせ、支払先をファクタリング会社へ変える手続きを契約の流れへ組み込みます。
売掛先の経理担当者だけで決められず、法務確認、取引基本契約の確認、社内決裁を経る場合もあるでしょう。
必要日を伝えるだけでなく、誰が承認し、いつ振込先を変更できるかまで確認しなければ日程は確定しません。
2社間でも取引先に絶対知られないとは限らない
2社間は、売掛先への通知や承諾を原則不要として提供されるサービスです。
たとえばOLTAの公式サービス案内は、取引先への通知が不要な2社間方式だと明記しています。
ただし、「2社間を選べば将来も絶対に知られない」とまではいえません。
少なくとも次の場面を契約前に確認します。
- 法人の利用者について債権譲渡登記を行う契約になっている
- 売掛先からの入金後、回収金を契約どおり送金できない
- 債権の実在性や支払い状況を確認するため、売掛先への照会条件が置かれている
- 契約違反や紛争が起き、ファクタリング会社が権利を行使する
- 売掛先が振込先の変更や請求内容の不一致に気付く
法人が譲渡人となる金銭債権には、債権譲渡登記という制度があります。
法務省の債権譲渡登記制度の説明によると、登記によって売掛先を関与させず、売掛先以外の第三者に対する対抗要件を備えられます。
譲渡人は法人に限られるため、個人事業主名義の債権に同じ登記を行う制度ではありません。
一方、登記だけでファクタリング会社が売掛先へ支払いを請求できるわけでもありません。
法務省の債権譲渡登記Q&Aは、債務者に登記事項証明書を交付して通知するか、債務者が承諾するまで、債務者は譲受人への支払いを拒めると説明しています。
2社間で通知を留保する契約なら、どの条件が起きたときに通知できるのかを読みます。
「原則連絡なし」という営業案内だけでなく、契約書の通知条項、登記条項、回収委託、期限の利益を失う条件を照合してください。
3社間の手数料が低くなりやすい理由
3社間では、ファクタリング会社が売掛先へ債権を確認し、支払期日には売掛先から直接回収できます。
2社間のように利用者が回収金を受け取り、送金する工程をはさみません。
債権の確認と回収経路が明確になるため、ファクタリング会社が見込むリスクは小さくなり、手数料も低くなりやすい傾向です。
ビートレーディングの法人向け公式ページでは、2025年9月時点の平均手数料を2社間9.4%、3社間6.4%と公表しています。
これは同社の実績であって、業界全体の相場ではありません。
それでも、同じ会社が方式別に示した差として、手取りへの影響を試算できます。
100万円の手取り差を比較する計算例
100万円の売掛金へ二つの平均値をそのまま当て、別費用がないと仮定します。
2社間の手数料は「1,000,000円×9.4%」で94,000円、3社間は「1,000,000円×6.4%」で64,000円です。
| 試算項目 | 2社間9.4% | 3社間6.4% | 差 |
|---|---|---|---|
| 売掛金額 | 1,000,000円 | 1,000,000円 | 0円 |
| 手数料 | 94,000円 | 64,000円 | 30,000円 |
| 手取り額 | 906,000円 | 936,000円 | 30,000円 |
この例では、3社間の手取りが3万円多くなります。
しかし、3万円を得るために売掛先の承認が一週間かかり、支払期限へ間に合わないなら、数字だけで3社間を選べません。
反対に、資金が必要になるまで二週間あり、売掛先が債権譲渡へ対応できるなら、承認を待って手数料を抑える余地があります。
費用を詳しく比べるときは、ファクタリング手数料の計算方法に沿って、料率だけでなく総控除額と口座へ入る金額まで並べられます。
入金までの速さは売掛先の手続きで変わる
2社間が早くなりやすいのは、売掛先の承諾を待たずに審査と契約を進められるからです。
オンライン提出と電子契約に対応する会社なら、利用者とファクタリング会社の作業だけで日程を組めます。
ただし、「2社間なら必ず即日」ではありません。
申込時間、提出資料、売掛先との取引履歴、債権額、本人確認、契約方法によって着金日は変わります。
OLTAは即日振込を案内しながら審査状況によって異なると注記し、ビートレーディングは法人向け2社間を最短2時間と公表しています。
どちらも各社の最短条件であり、自社の着金予定を保証する数字ではありません。
3社間の日数は、ファクタリング会社だけでなく売掛先の予定にも左右されます。
売掛先へ相談する前に、次の四つを確認しておくと見積日と着金日のずれを減らせます。
- 債権譲渡の窓口は営業担当、経理、法務のどこか
- 通知だけで進むのか、承諾書や三者契約への押印が必要か
- 電子契約に対応できるか、原本郵送が必要か
- 支払先口座の変更を何営業日前まで受け付けるか
「売掛先は承諾してくれそう」という感触だけでは、資金必要日へ間に合うか分かりません。
承認者と処理期限を日付で確認してから、3社間の着金予定を見積もります。
必要日と売掛先の協力から方式を選ぶ
方式の選択は、秘密にしたいか、安くしたいかの二択ではありません。
資金必要日と支払日の仕事まで含めて判断します。
| 自社の状況 | 選びやすい方式 | 判断理由 |
|---|---|---|
| 数日以内に支払いがあり、売掛先の決裁を待てない | 2社間 | 売掛先の手続きを待たずに進めやすい |
| 売掛先へ資金調達の事情を伝えたくない | 2社間 | 原則として売掛先への連絡なしで契約できる |
| 資金必要日まで余裕があり、売掛先が協力できる | 3社間 | 承認の時間を確保し、手数料を抑えやすい |
| 1件の債権額が大きく、数ポイントの差が重い | 3社間も見積もる | 料率差を金額へ直すと承認を待つ価値が見えやすい |
| 支払日の回収金を別管理し、すぐ送金する体制がない | 3社間 | 売掛先からファクタリング会社へ直接支払える |
| 売掛先の社内規程が債権譲渡へ対応していない | 2社間を検討 | 3社間の承認を得られない可能性がある |
決める順番は次のとおりです。
- 給与や仕入れなど、資金が必要な日と必要額を確定する
- 売掛先の承認に必要な営業日を聞く
- 2社間と3社間の総控除額、手取り額、着金予定日を書面でもらう
- 2社間では支払日の回収金を分けて送れるか確認する
- 方式が決まったら、通知と不払い時の条項を契約書で確定する
たとえば資金必要日が三営業日後、売掛先の承認に最短五営業日かかるなら、3社間の低い手数料は今回の支払いを解決しません。
一方、必要日が二週間後なら、二方式の見積もりを取り、数万円の差と手続き時間を比べられます。
売掛先へ相談できるか分からないときは、債権譲渡を拒まれるかだけでなく、口座変更の締切、必要書式、承認者を確認します。
取引先との関係が良くても、経理処理の締切を過ぎれば3社間へ切り替えられないことがあります。
契約前は方式より先に不払い時の責任を読む
2社間か3社間かを選んでも、契約の安全性までは決まりません。
最も重要なのは、売掛先が支払わないときに誰が損失を負うかです。
一般的な買取型は売掛先の信用リスクをファクタリング会社へ移す契約が基本ですが、契約名が債権譲渡でも、不払い時に利用者が必ず買い戻す、自社資金で全額を補う条件なら、実態は変わりかねません。
金融庁の注意喚起は、売主が回収できない場合に債権を買い戻す、自社資金でファクタリング会社へ支払うといった取引は、貸金業に該当するおそれがあるとしています。
契約書にノンリコースと書かれている一事だけで、安全だと決めてはいけません。
契約前に、少なくとも次の項目を一枚へ書き出します。
| 確認項目 | 契約書で探す内容 | 確認する理由 |
|---|---|---|
| 債権の対象 | 売掛先、請求書番号、金額、支払日 | 別の債権や将来債権まで広がっていないか確かめる |
| 通知 | 売掛先へ連絡できる条件と実施者 | 2社間で連絡が発生する境界を知る |
| 債権譲渡登記 | 登記の有無、費用、抹消手続き | 説明のない費用と契約後の残置を防ぐ |
| 回収金の送金 | 送金先、期限、休日の扱い | 2社間で送金遅延を起こさない |
| 売掛先の不払い | 買戻し、保証、損害賠償の条件 | 信用リスクを誰が負うか判定する |
| 表明保証 | 債権の実在、二重譲渡、紛争の有無 | 自社の説明責任と違反時の負担を知る |
| 総控除額 | 手数料、登記、振込、事務費用 | 料率と最終振込額のずれをなくす |
売掛先の不払いと、利用者の契約違反は分けて読まなければなりません。
売掛先が倒産しただけで利用者へ買戻しを求める条件と、架空債権や二重譲渡によって損害を与えた場合の責任は同じではありません。
意味を判断できない条項があれば、署名前に弁護士へ契約書を示して確認してください。
2社間と3社間ファクタリングに関するよくある質問
2社間ファクタリングは取引先に知られませんか?
原則として、売掛先への通知や承諾なしで進めるのが2社間です。
ただし、契約で債権譲渡登記を行う場合、回収金の送金が遅れた場合、契約違反があった場合など、将来も絶対に知られないとは限りません。
ビートレーディングの公式FAQは売掛先への連絡を原則不要とし、法務省は法人の債権譲渡登記の効力を説明しています。
契約書では、売掛先へ連絡できる条件と通知の実施者を確認します。
3社間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要ですか?
3社間は売掛先を手続きへ加え、債権譲渡後の支払先をファクタリング会社へ変更する方式なので、売掛先への連絡と協力が必要です。
必要な書類は、通知書、承諾書、三者契約など会社と取引条件によって異なります。
公式サービスの3社間説明と、民法第467条にある通知または承諾の要件を照らし、誰が承認し、口座変更をいつまでに終えられるかを売掛先へ確認してください。
2社間と3社間のどちらが審査に通りやすいですか?
3社間は売掛先へ債権を直接確認し、支払期日に直接回収できるため、2社間より審査上のリスクを低く見積もる会社があります。
たとえばビートレーディングの公式FAQは3社間を2社間より審査へ通過しやすい方式としていますが、これは一社の説明であり、業界共通の基準ではありません。
審査結果は、売掛先の信用、債権の実在性、支払期日、契約条件によって変わります。
売掛先からの入金が遅れたら誰が支払いますか?
売掛先の倒産や資金不足による不払いなら、一般的なノンリコースの買取ではファクタリング会社が信用リスクを負います。
一方、請求内容の争い、債権の不存在、二重譲渡、利用者が受け取った回収金を送らない場合は、契約違反として利用者の責任が生じることも否定できません。
金融庁の注意喚起も、売主の買戻しや自社資金での支払いを契約実態の確認点に挙げています。
「不払いならすべて利用者が買い戻す」と読める条項は、そのまま契約せず、責任の範囲を確認してください。
通知日と資金必要日を並べて契約方式を決める
2社間と3社間の選択は、手数料率だけでは終わりません。
資金化する前後に誰が何をするかを日付へ落とすと、自社に合う方式が見えます。
- 2社間は売掛先の承諾を待たずに進めやすい一方、支払日の回収金管理と送金が残ります
- 3社間は売掛先の協力が必要ですが、直接回収によって手数料を抑えやすくなります
- 2社間でも通知、登記、契約違反の条件によって売掛先へ知られる可能性があります
- 不払い時の買戻し義務と自社資金での支払いは、方式に関係なく契約前に確認します
- 最終判断では、着金予定日、総控除額、手取り額、支払日の作業を一表へそろえます
資金必要日が先なら、売掛先の承認日程を確認して二方式の見積もりを取ります。
急ぎで2社間を選ぶ場合も、支払日に入る回収金を通常口座の資金と混ぜず、送金担当者と期限を契約時に決めておきましょう。
方式を決めた後は、ファクタリング手数料の相場と計算方法へ同じ売掛金額を入れると、料率ではなく総控除額と手取り額で比べられます。
この記事の監修者
FundBridge ファクタリングスペシャリスト
監修者 FundBridge編集部
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