病院のファクタリングとは?仕組み・手数料・おすすめ会社を徹底解説
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FundBridge ファクタリングスペシャリスト
監修者 FundBridge編集部
「診療報酬の入金まで2ヶ月もかかるのに、人件費や設備投資の支払いが迫っている…」
「銀行融資は審査が厳しくて、急な資金需要には間に合わない…」
このような資金繰りの悩みを抱えている病院経営者の方は、決して少なくないのではないでしょうか。実際に、総務省の調査によると、公立病院の約83%が赤字経営に陥っているというデータもあり、医療機関の資金繰りは年々厳しさを増しています。
結論からお伝えすると、病院のファクタリング(医療ファクタリング)を活用すれば、診療報酬債権を最短1週間程度で現金化することが可能です。さらに、国民健康保険団体連合会(国保連)や社会保険診療報酬支払基金(社保)への請求という確実性の高い債権であるため、手数料が一般的なファクタリングよりも低く抑えられる傾向にあります。
本記事では、以下の情報を詳しく解説していきます。
この記事で分かること
- 病院のファクタリング(医療ファクタリング)の仕組みと種類
- 銀行融資・診療報酬担保ローンとの違い
- メリット・デメリットと手数料相場
- 病院規模別のおすすめファクタリング会社10選
- 悪徳業者の見分け方と安全な利用法
キャッシュフローにお困りの病院経営者の方は、ぜひ最後までお読みいただき、安心かつお得な資金調達の参考にしていただければと思います。
【結論】病院向けファクタリング会社おすすめ比較表
まずは結論として、病院・クリニック・調剤薬局などの医療機関におすすめのファクタリング会社を比較表でご紹介いたします。「どの会社を選べばいいかわからない」という方は、こちらの比較表を参考に、ご自身の状況に合った会社を選んでいただければと思います。
| 会社名 | 取引形態 | 手数料 | 入金スピード | 買取可能額 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 三菱HCキャピタル | 3社間 | 0.5%~ | 約1週間 | 数百万~数十億円 | 大手の安心感・業界最低水準の手数料 |
| アクリーティブ | 3社間 | 0.25%~ | 最短1週間 | 月次保険請求額の最大3ヶ月分 | 医療特化・手数料0.25%~ |
| カイポケファクタリング | 3社間 | 0.8%~ | 約1週間 | 介護報酬の最大2ヶ月分 | 介護・医療特化・エス・エム・エスグループ |
| メドレー早期資金サポート | 3社間 | 要問合せ | 約2週間 | 要問合せ | 病院・クリニック向け・メドレーグループ |
| エヌエスパートナーズ | 3社間 | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ | 経営支援付き・医療介護特化 |
| リコーリース | 3社間 | 要問合せ | 約1週間 | 要問合せ | 大手リース会社の安心感 |
| オリックス | 3社間 | 要問合せ | 約1週間 | 要問合せ | 診療・介護・調剤対応 |
| ビートレーディング | 2社間/3社間 | 2%~ | 最短即日 | 30万~3億円 | スピード重視・医療対応あり |
| 日本中小企業金融サポート機構 | 2社間/3社間 | 1.5%~ | 最短即日 | 上限なし | 一般社団法人の安心感 |
| GCM | 3社間 | 要問合せ | 約1週間 | 要問合せ | 中小病院向け |
病院向けファクタリング会社の選び方3つのポイント
病院向けのファクタリング会社を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。経済産業省でも、中小企業の資金調達手段として債権譲渡の活用を推奨していますが、業者選びを間違えると思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあるのです。
まず1つ目のポイントは、医療機関向けの実績があるかどうかです。診療報酬債権は一般的な売掛債権とは性質が異なり、国保連や社保への請求という特殊な仕組みを理解している会社でなければ、スムーズな取引は難しいでしょう。医療機関向けのサービスを専門的に提供している会社を選ぶことで、手続きがスムーズに進み、適切な買取条件を提示してもらえる可能性が高まります。
2つ目のポイントは、手数料の透明性です。見積もり時に提示された手数料と、実際の契約時の手数料が異なるケースや、事務手数料などの名目で追加費用を請求されるケースも報告されています。事前に手数料の内訳をしっかりと確認し、不明な点があれば遠慮なく質問することが大切です。
3つ目のポイントは、会社の信頼性と実績です。大手金融機関のグループ会社や、一般社団法人として運営されている会社は、比較的信頼性が高いと言えるでしょう。また、医療機関向けのファクタリング実績が豊富な会社であれば、過去のノウハウを活かした適切なサポートを受けられる可能性が高くなります。
手数料で選ぶなら「3社間ファクタリング」対応会社
手数料を重視される方には、「3社間ファクタリング」に対応している会社をおすすめいたします。金融庁の定義によると、ファクタリングは「売掛債権の売買」であり、貸金業には該当しません。この点は、銀行融資とファクタリングの大きな違いの一つです。
3社間ファクタリングとは、利用者(病院)・ファクタリング会社・売掛先(国保連・社保)の3者間で行われる取引形態のことです。この形態では、売掛先への債権譲渡通知が行われるため、ファクタリング会社にとっては回収リスクが低くなります。その結果、手数料を低く抑えることが可能になるのです。
特に医療機関の場合、売掛先が国保連や社保という公的機関であるため、支払いの確実性が非常に高いという特徴があります。この特性を活かすことで、一般的なファクタリングよりも大幅に低い手数料(0.25%~1%程度)で利用できるケースも珍しくありません。
手数料の低さを重視される方は、三菱HCキャピタルやアクリーティブなど、3社間ファクタリングを専門的に取り扱っている会社を検討されることをおすすめいたします。
スピード重視なら「2社間ファクタリング」対応会社
一方で、「とにかく早く資金が必要」という緊急性の高い状況であれば、「2社間ファクタリング」に対応している会社を選ぶとよいでしょう。中小企業庁でも、中小企業の資金繰り支援策の一つとしてファクタリングを紹介しており、急な資金需要への対応手段として認知されています。
2社間ファクタリングとは、利用者(病院)とファクタリング会社の2者間のみで行われる取引形態です。売掛先への通知が不要なため、手続きが簡略化され、最短即日での入金も可能になります。ただし、ファクタリング会社にとっては回収リスクが高くなるため、手数料は3社間に比べて高めに設定されることが一般的です。
スピードを重視される方は、ビートレーディングや日本中小企業金融サポート機構など、2社間ファクタリングにも対応している会社を検討されるとよいでしょう。ただし、手数料が高くなる傾向があるため、長期的なコストと緊急性のバランスを考慮して判断することが大切です。
病院のファクタリング(医療ファクタリング)とは?仕組みを図解
「そもそも病院のファクタリングとはどのようなものなのか」という基本的な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、医療ファクタリングの仕組みについて、できるだけわかりやすく解説していきます。
病院のファクタリング(医療ファクタリング)とは、病院やクリニックが保有する診療報酬債権をファクタリング会社に売却し、入金予定日よりも早く現金を受け取る資金調達方法のことです。一般的なファクタリングが企業間の売掛債権を対象としているのに対し、医療ファクタリングは国保連や社保に対する診療報酬請求権を対象としている点が大きな特徴となっています。
診療報酬債権とは?入金まで2ヶ月かかる理由
診療報酬債権とは、病院やクリニックが患者さんに医療サービスを提供した際に発生する、保険者(国保連・社保)に対する請求権のことです。厚生労働省が定める診療報酬制度に基づき、医療機関は提供した医療サービスの対価として診療報酬を請求することができます。
しかしながら、この診療報酬が実際に入金されるまでには、通常約2ヶ月程度の期間が必要となります。なぜこれほどの時間がかかるのでしょうか。その理由は、診療報酬の請求から入金までのプロセスにあります。
まず、医療機関は毎月の診療内容をレセプト(診療報酬明細書)にまとめ、翌月10日までに審査支払機関(国保連または社保)に提出します。審査支払機関では、提出されたレセプトの内容を審査し、問題がなければ保険者に請求を行います。保険者からの支払いを受けた審査支払機関は、翌々月の下旬頃に医療機関への入金を行います。
つまり、例えば4月に行った診療の報酬が入金されるのは、早くても6月下旬頃になるのです。この約2ヶ月という入金サイクルが、医療機関のキャッシュフローを圧迫する大きな要因となっています。特に開業直後の医療機関や、設備投資を行った直後の医療機関にとっては、この入金までのタイムラグが資金繰りを困難にする原因となることも少なくありません。
医療ファクタリングの3つの種類(診療報酬・介護報酬・調剤報酬)
医療ファクタリングと一口に言っても、対象となる債権の種類によっていくつかの種類に分けられます。医療保険制度に基づく請求には複数の種類があり、それぞれに対応したファクタリングサービスが提供されています。
1. 診療報酬ファクタリング
病院やクリニックが国保連・社保に請求する診療報酬債権を対象としたファクタリングです。最も一般的な医療ファクタリングの形態であり、多くのファクタリング会社が取り扱っています。内科、外科、眼科、耳鼻科など、ほとんどの診療科目の医療機関が対象となります。
2. 介護報酬ファクタリング
介護事業者が国保連に請求する介護報酬債権を対象としたファクタリングです。訪問介護、通所介護、施設介護など、介護保険サービスを提供する事業者が利用できます。介護報酬も診療報酬と同様に入金まで約2ヶ月かかるため、キャッシュフロー改善のためにファクタリングを活用する介護事業者は増加傾向にあります。
3. 調剤報酬ファクタリング
調剤薬局が国保連・社保に請求する調剤報酬債権を対象としたファクタリングです。調剤薬局は医薬品の仕入れコストが大きいため、入金までの期間が長いと資金繰りが厳しくなりやすい傾向があります。そのため、調剤報酬ファクタリングを活用して資金繰りを改善する薬局も少なくありません。
いずれの種類も、売掛先が公的機関であるという点で共通しており、一般的なファクタリングよりも低い手数料で利用できる可能性が高いという特徴があります。
一般的なファクタリングとの違い(売掛先が国保連・社保)
医療ファクタリングと一般的なファクタリングの最大の違いは、売掛先の性質にあります。
一般的なファクタリングでは、売掛先は民間企業であり、経営状況によっては支払い能力が不安定になる可能性があります。そのため、ファクタリング会社は売掛先の与信調査を行い、回収リスクに応じた手数料を設定します。売掛先の信用力が低ければ、手数料は高くなる傾向にあります。
一方、医療ファクタリングの売掛先は国保連や社保といった公的機関です。これらの機関は国の医療保険制度を支える重要な役割を担っており、支払い能力が非常に安定しています。実質的に「国が支払いを保証している」と言っても過言ではないでしょう。
この違いにより、医療ファクタリングには以下のようなメリットが生まれます。
- 手数料が一般的なファクタリングよりも低く抑えられる(0.25%~2%程度)
- 審査が比較的通りやすい(売掛先の与信リスクが低いため)
- 大きな金額でも買取が可能(月次保険請求額の2~3ヶ月分程度まで)
このように、医療ファクタリングは一般的なファクタリングとは異なる特徴を持っており、医療機関にとって非常に使いやすい資金調達手段と言えます。
3社間ファクタリングが医療機関に適している理由
医療機関がファクタリングを利用する場合、多くのケースで「3社間ファクタリング」が適していると言われています。
その理由について、詳しく解説していきます。
法務省によると、債権譲渡を第三者に対抗するためには、債務者への通知または債務者からの承諾が必要とされています。3社間ファクタリングでは、この債権譲渡通知を売掛先(国保連・社保)に対して行うことで、法的に確実な債権譲渡が実現します。
一般的な企業間取引では、売掛先に対してファクタリングの利用を通知することで、「資金繰りに困っているのではないか」と懸念される可能性があります。取引先との関係性を考慮して、2社間ファクタリング(売掛先への通知なし)を選択するケースも少なくありません。
しかし、医療ファクタリングの場合は事情が異なります。売掛先である国保連や社保は、医療機関との取引関係に影響を与えるような存在ではありません。債権譲渡通知を受けても、医療機関に対する対応が変わることはありませんし、診療報酬の支払いが滞ることもありません。
むしろ、3社間ファクタリングを選択することで、以下のようなメリットを享受できます。
- 手数料が2社間よりも大幅に低くなる(0.25%~1%程度)
- ファクタリング会社が直接国保連・社保から回収するため、手続きがシンプル
- 法的に確実な債権譲渡が行われるため、安心して利用できる
このような理由から、医療機関がファクタリングを利用する際には、特別な事情がない限り3社間ファクタリングを選択することをおすすめいたします。
病院がファクタリングを利用する7つのメリット
病院やクリニックがファクタリングを利用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
ここでは、医療機関がファクタリングを活用する際の具体的なメリットを7つに整理してご紹介いたします。
最短1週間で診療報酬を早期資金化できる
医療ファクタリングの最大のメリットは、診療報酬を最短1週間程度で現金化できるという点です。通常であれば入金まで約2ヶ月かかる診療報酬を、大幅に前倒しで受け取ることができます。
例えば、三菱HCキャピタルの医療ファクタリングサービスでは、必要書類の提出から約1週間程度で入金が完了するケースもあります。緊急の設備投資や、予期せぬ支出が発生した場合でも、迅速に資金を調達することが可能です。
この早期資金化のメリットは、以下のような場面で特に威力を発揮します。
- 人件費や家賃などの固定費の支払いが迫っている場合
- 医療機器の購入やリースの支払いが必要な場合
- 建物の修繕や改装工事の費用が必要な場合
- 新規事業や分院展開の初期投資が必要な場合
キャッシュフローに余裕がない状況でも、ファクタリングを活用することで、必要な支払いを滞りなく行うことができます。
国保連・社保への債権のため審査に通りやすい
医療ファクタリングは、一般的なファクタリングに比べて審査に通りやすいという特徴があります。企業の信用力は業種や経営状況によって大きく異なりますが、国保連や社保への債権は極めて高い信用力を持っています。
ファクタリングの審査では、主に「売掛先の信用力」と「売掛債権の確実性」が重視されます。医療ファクタリングの場合、売掛先が公的機関であるため、支払いの確実性は非常に高いと判断されます。その結果、医療機関自体の経営状況に多少の不安があったとしても、審査に通る可能性が高くなるのです。
特に以下のような状況にある医療機関でも、医療ファクタリングであれば審査に通る可能性があります。
- 開業して間もない医療機関
- 赤字決算が続いている医療機関
- 銀行融資の審査に落ちた経験がある医療機関
- 税金の滞納がある医療機関(程度による)
ただし、審査基準はファクタリング会社によって異なりますので、複数の会社に相談してみることをおすすめいたします。
借入ではないため負債にならず財務指標を維持
ファクタリングは「売掛債権の売却」であり、「借入」ではありません。
銀行融資を受けた場合、貸借対照表(バランスシート)上では「借入金」として負債に計上されます。負債が増加すると、自己資本比率が低下し、財務指標が悪化することになります。財務指標の悪化は、将来の融資審査や取引先からの信用評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、ファクタリングを利用した場合は、会計上の処理が異なります。売掛債権(診療報酬債権)を売却して現金を得るという取引であるため、資産の形態が「売掛金」から「現金」に変わるだけで、負債が増加することはありません。いわゆる「オフバランス」の効果により、財務指標を維持しながら資金調達を行うことができるのです。
この特徴は、以下のような状況にある医療機関にとって特にメリットが大きいと言えます。
- 銀行融資の枠を温存しておきたい医療機関
- 財務指標の維持が重要な医療機関(医療法人など)
- 将来的に追加の融資を検討している医療機関
担保・保証人が不要で経営者個人のリスクを軽減
ファクタリングは、担保や保証人が不要という点も大きなメリットです。銀行融資では多くのケースで担保や保証人が求められますが、ファクタリングではこれらが不要となります。
銀行融資を受ける際には、不動産担保や経営者個人の連帯保証を求められることが一般的です。万が一、返済が困難になった場合には、担保として提供した不動産が処分されたり、経営者個人が返済義務を負ったりするリスクがあります。
ファクタリングの場合、売掛債権そのものを売却する取引であるため、担保を提供する必要がありません。また、多くのファクタリング取引では「償還請求権なし(ノンリコース)」の条件が設定されており、万が一売掛先から回収ができなかった場合でも、利用者(医療機関)に返済義務が生じることはありません。
この点は、経営者個人のリスクを軽減するという観点から、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
銀行融資の枠を温存して他の用途に使える
銀行融資には、各金融機関が設定する「融資枠」の上限があります。日本政策金融公庫などの公的金融機関でも、融資額には一定の上限が設けられています。一度融資を受けると、その分だけ融資枠が減少し、将来的に追加融資を受けられる余地が狭まることになります。
ファクタリングは借入ではないため、銀行融資の枠に影響を与えません。ファクタリングで一時的な資金需要に対応しながら、銀行融資の枠は将来の大型投資(建物の新築、高額医療機器の購入など)のために温存しておくことができます。
この戦略的な資金調達の使い分けにより、医療機関の経営の自由度を高めることが可能になります。
資金使途が自由で経営判断の幅が広がる
銀行融資では、融資を受けた資金の使途が制限されることがあります。例えば、設備投資のための融資であれば、その資金を人件費に充てることは原則として認められません。
一方、ファクタリングで得た資金には、基本的に使途の制限がありません。人件費の支払い、医薬品の仕入れ、設備投資、運転資金など、経営者の判断で自由に活用することができます。この自由度の高さは、急な経営判断が必要になった場合に大きなメリットとなります。
信用情報に影響しないため将来の融資審査に有利
銀行融資を受けると、その情報は信用情報機関に登録されます。借入額が大きくなると、将来の融資審査において不利に働く可能性があります。
ファクタリングは借入ではないため、信用情報機関への登録対象とはなりません。ファクタリングを利用しても、信用情報に記録が残ることはなく、将来の融資審査に悪影響を及ぼすことはありません。
この点も、長期的な視点で医療機関の経営を考える上で、重要なメリットの一つと言えるでしょう。
病院がファクタリングを利用する際の5つの注意点・デメリット
ファクタリングには多くのメリットがありますが、同時にデメリットや注意点も存在します。
ここでは、病院がファクタリングを利用する際に知っておくべき注意点を5つご紹介いたします。
手数料が発生し受け取れる報酬が減少する
ファクタリングを利用する際には、手数料が発生するという点を理解しておく必要があります。診療報酬の満額を受け取れるわけではなく、手数料を差し引いた金額が入金されることになります。
国税庁の税務上の取り扱いによると、ファクタリング手数料は「売掛債権売却損」として経費計上することができます。しかし、経費として処理できるとはいえ、手数料分だけ実質的な収入が減少することには変わりありません。
例えば、手数料率が1%のファクタリングを利用した場合、1,000万円の診療報酬債権を売却すると、手数料10万円を差し引いた990万円が入金されることになります。この10万円は、通常通り入金を待っていれば受け取れた金額ですから、「早期資金化のためのコスト」と捉える必要があります。
手数料率は、ファクタリング会社や取引条件によって異なります。医療ファクタリング(3社間)であれば0.25%~2%程度が一般的ですが、2社間ファクタリングや、医療機関の信用力が低い場合には、手数料が高くなる可能性もあります。複数のファクタリング会社から見積もりを取り、手数料を比較検討することをおすすめいたします。
長期的に利用し続けると資金繰りが悪化するリスク
ファクタリングは一時的な資金需要への対応策としては有効ですが、長期的に継続利用すると資金繰りがかえって悪化するリスクがあります。
医療機関の倒産件数は近年増加傾向にあり、資金繰りの悪化が主な原因となっているケースも少なくありません。ファクタリングに過度に依存すると、以下のような悪循環に陥る可能性があります。
ファクタリングを利用すると、本来2ヶ月後に入金される診療報酬を先取りすることになります。しかし、先取りした分だけ将来の入金は減少します。毎月継続的にファクタリングを利用し続けると、常に「将来の収入を先食い」している状態が続くことになり、根本的な資金繰りの改善にはつながりません。
さらに、手数料が毎月発生することで、実質的な収益が減少し続けることになります。年間で換算すると、決して小さくない金額になる可能性があります。
ファクタリングは、あくまでも一時的な資金需要への対応策として位置づけ、根本的な経営改善と並行して計画的に利用することが重要です。
悪徳業者・偽装ファクタリング(闇金)の存在
ファクタリング業界には、残念ながら悪徳業者や偽装ファクタリング業者が存在します。
悪徳業者の典型的な手口としては、以下のようなものがあります。
- 法外な手数料の請求:年利換算で数十%~数百%に相当する高額な手数料を請求する
- 償還請求権ありの契約:売掛先から回収できなかった場合に、利用者に買い戻しを求める契約。これは実質的に「担保付き融資」であり、貸金業法の規制対象となる可能性がある
- 給与ファクタリング:個人の給与債権を買い取ると称する取引。金融庁は「貸金業に該当する」との見解を示しており、実質的に違法な闘金行為
医療機関がファクタリングを利用する際には、以下の点に注意して業者を選定することが重要です。
- 会社の実態(所在地、代表者、資本金、設立年月日など)を確認する
- 契約書の内容(特に償還請求権の有無)を慎重に確認する
- 手数料が不自然に高くないか確認する
- 大手金融機関のグループ会社や、実績のある会社を選ぶ
不審な点があれば、契約を控え、他の会社を検討することをおすすめいたします。
6ヶ月分以上の将来債権売却は要注意
医療ファクタリングでは、「将来債権」、すなわち将来発生する予定の診療報酬債権を売却することも可能です。しかし、6ヶ月分以上の将来債権を売却することには注意が必要です。
e-Gov法令検索で確認できる民法の規定によると、債権譲渡は広く認められていますが、将来債権の譲渡については、その範囲や期間に関して法的なリスクが生じる可能性があります。
また、長期間の将来債権を売却してしまうと、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 将来的に経営改善しても、診療報酬がファクタリング会社に直接支払われる状態が長期間続く
- 新たな資金調達(銀行融資など)を行う際に、債権がすでに譲渡されていることが障害となる
- 予期せぬ事態(閉院、事業譲渡など)が発生した場合に、複雑な問題が生じる
一般的には、1~3ヶ月分程度の債権譲渡にとどめ、長期間の将来債権売却は避けることをおすすめいたします。
ファクタリング会社の選択肢が限られている
一般的な売掛債権を対象としたファクタリング会社は数多く存在しますが、医療ファクタリングを専門的に取り扱う会社は比較的限られているという点も注意が必要です。
医療ファクタリングでは、診療報酬制度や国保連・社保への請求プロセスに関する専門知識が必要となります。また、医療機関特有の経営課題やリスクを理解していなければ、適切なサービスを提供することはできません。
そのため、医療ファクタリングを検討する際には、医療機関向けのサービス実績が豊富な会社を選ぶことが重要です。
本記事でご紹介する10社は、いずれも医療機関向けのファクタリング実績がある会社ですので、参考にしていただければと思います。
病院向けファクタリング会社おすすめ10選【2026年最新】
ここからは、病院・クリニック・調剤薬局などの医療機関におすすめのファクタリング会社を10社ご紹介いたします。
各社の特徴や強みを詳しく解説していきますので、ご自身の状況に合った会社選びの参考にしていただければと思います。
三菱HCキャピタル(業界最低水準の手数料)
三菱HCキャピタルは、三菱UFJフィナンシャル・グループと日立製作所を主要株主とする大手リース・ファイナンス会社です。介護事業者、調剤薬局、医療機関向けのファクタリングサービスを提供しており、業界最低水準の手数料率が大きな特徴となっています。
大手金融グループの一員として、信頼性と安定性は抜群です。長期的なパートナーシップを重視する医療機関にとって、安心して取引できる相手と言えるでしょう。手数料率は非公開ですが、複数の情報源によると0.5%~程度の低水準で提供されているようです。
非対面型の手続きにも対応しており、忙しい医療機関でも効率的に利用することができます。また、介護事業者や調剤薬局向けのサービスも充実しているため、複数の事業を展開している医療法人にもおすすめです。
アクリーティブ(手数料0.25%~・医療特化)
アクリーティブは、医療機関向けの診療報酬ファクタリングに特化したサービスを提供している会社です。手数料0.25%からという業界最低水準の手数料率が最大の特徴であり、コストを重視する医療機関から高い支持を得ています。
月次保険請求額の最大3ヶ月分まで調達可能という点も魅力的です。まとまった資金が必要な場合でも、柔軟に対応してもらえる可能性があります。担保・保証人不要、迅速対応で全国の医療機関を支援しており、地方の医療機関でも利用しやすいサービス体制が整っています。
医療機関向けに特化しているため、診療報酬制度や医療機関経営に関する知識が豊富なスタッフが対応してくれる点も安心です。
カイポケファクタリング(介護・医療に特化)
カイポケファクタリングは、介護・医療分野に特化したファクタリングサービスです。運営会社の株式会社エス・エム・エスフィナンシャルサービスは、医療・介護分野で多くのサービスを展開するエス・エム・エスグループの一員であり、業界への深い理解を持っています。
介護報酬を中心としたサービスを提供していますが、医療機関向けのサービスも展開しています。手数料は0.8%~と競争力のある水準であり、約1週間程度で入金が完了します。
エス・エム・エスグループが提供する他のサービス(介護ソフト「カイポケ」など)と連携している点も特徴的です。すでにエス・エム・エスのサービスを利用している医療機関・介護事業者にとっては、スムーズな連携が期待できます。
メドレー早期資金サポート(病院・クリニック向け)
メドレーフィナンシャルサービスは、医療ヘルスケア領域で多くのサービスを展開するメドレーグループのファイナンスサービス会社です。「ジョブメドレー」や「CLINICS」などで知られるメドレーが提供するファクタリングサービスとして、医療機関からの信頼は厚いと言えます。
診療報酬債権を買い取り、早期資金化を実現するサービスを提供しています。請求から支払いまで約2ヶ月かかる期間を短縮し、急な資金需要やキャッシュフローの改善に役立てることができます。
メドレーグループの一員として、医療機関のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援にも力を入れています。ファクタリングだけでなく、経営全般のサポートを期待したい医療機関にもおすすめです。
エヌエスパートナーズ(経営支援付き)
エヌエスパートナーズは、医療・介護事業者様の運営状況に即応した共創運営型ビジネスパートナーを標榜する会社です。単なるファクタリングサービスの提供にとどまらず、医療機関の経営支援全般をサポートしてくれる点が大きな特徴となっています。
診療報酬ファクタリングにより、本来約2ヶ月後に入ってくるはずの診療報酬を通常より早く受け取ることができます。さらに、経営改善のアドバイスや、資金計画の策定支援なども受けられる可能性があります。
資金繰りだけでなく、経営全般に課題を感じている医療機関にとっては、心強いパートナーとなってくれるでしょう。
リコーリース(大手安心感)
リコーリースは、リコーグループのリース・ファイナンス会社です。医療機器のリースでも実績があり、医療業界との関係が深い会社と言えます。
診療報酬ファクタリングサービスも提供しており、大手リース会社ならではの安心感と信頼性が魅力です。手数料や具体的な条件は要問合せとなりますが、大手ならではの柔軟な対応が期待できます。
すでにリコーリースで医療機器のリースを利用している医療機関であれば、取引実績を活かしたスムーズな審査が期待できるかもしれません。
オリックス(診療・介護・調剤対応)
オリックスは、多角的な金融サービスを展開する大手金融グループです。診療報酬、介護報酬、調剤報酬のすべてに対応したファクタリングサービスを提供しており、幅広いニーズに応えることができます。
大手金融グループならではの安定性と信頼性は抜群です。また、オリックスグループが提供する他の金融サービス(リース、保険など)との組み合わせにより、総合的な経営サポートを受けることも可能です。
手数料や具体的な条件は要問合せとなりますが、大手ならではの競争力のある条件が期待できます。
ビートレーディング(スピード重視・医療対応あり)
ビートレーディングは、最短即日での資金化を強みとするファクタリング会社です。医療機関向けのファクタリングにも対応しており、スピードを重視する医療機関におすすめです。
2社間・3社間の両方に対応しており、状況に応じて最適な取引形態を選択することができます。手数料は2%~となっており、スピードを重視する分、3社間専門の会社よりはやや高めの水準です。
30万円~3億円までの幅広い買取金額に対応しているため、小規模なクリニックから大規模な病院まで、幅広い医療機関で利用可能です。
日本中小企業金融サポート機構(一般社団法人の安心感)
日本中小企業金融サポート機構は、一般社団法人として運営されているファクタリング会社です。営利を主目的としない組織形態であり、利用者の利益を優先したサービス提供が期待できます。
医療ファクタリングにも対応しており、診療報酬、介護報酬、調剤報酬債権の買取が可能です。2社間・3社間の両方に対応しており、手数料は1.5%~という競争力のある水準です。
最短即日での入金にも対応しており、急な資金需要にも迅速に対応できます。一般社団法人という組織形態に安心感を感じる医療機関にはおすすめです。
GCM(中小病院向け)
GCMは、中小規模の病院向けにファクタリングサービスを提供している会社です。大規模病院向けのサービスが中心の会社が多い中、中小病院のニーズに特化したサービス展開を行っています。
中小病院ならではの経営課題や資金繰りの悩みを理解した上で、適切なサポートを提供してくれる点が強みです。手数料や具体的な条件は問合せとなりますが、中小病院に寄り添ったサービスが期待できます。
病院のファクタリングと他の資金調達方法を比較
病院が資金調達を行う方法は、ファクタリングだけではありません。ここでは、ファクタリングと他の資金調達方法を比較し、それぞれのメリット・デメリットを整理していきます。
銀行融資との違い(審査期間・金利・担保)
銀行融資は、最も一般的な資金調達方法の一つです。
銀行融資のメリットは、金利が比較的低く、長期間の返済が可能な点です。設備投資など、大きな金額を長期間かけて返済する場合には、銀行融資が適していることが多いでしょう。
一方、デメリットとしては、審査に時間がかかる点、担保や保証人が求められる点、経営状況によっては審査に通らない可能性がある点などが挙げられます。急な資金需要には対応しにくいという側面があります。
ファクタリングと比較すると、以下のような違いがあります。
| 項目 | 銀行融資 | ファクタリング |
|---|---|---|
| 審査期間 | 2週間~1ヶ月程度 | 最短即日~1週間 |
| 金利/手数料 | 年1%~5%程度 | 0.25%~10%/回 |
| 担保・保証人 | 必要な場合が多い | 不要 |
| 負債計上 | される | されない |
| 信用情報 | 登録される | 登録されない |
診療報酬担保ローンとの違い(借入か売却か)
診療報酬担保ローンは、診療報酬債権を担保として融資を受ける方法です。日本政策金融公庫などの公的金融機関でも取り扱っているケースがあります。
ファクタリングとの最大の違いは、「債権の売却」か「債権を担保とした借入」かという点です。診療報酬担保ローンは借入であるため、返済義務が生じ、負債として計上されます。
また、診療報酬担保ローンは融資であるため、貸金業法の規制対象となります。金利は年利で表示され、ファクタリングの手数料と単純比較することは難しいですが、一般的には低めの金利が設定されることが多いようです。
ただし、融資であるため審査が厳しく、経営状況によっては利用できない可能性もあります。審査に通りやすさという点では、ファクタリングに軍配が上がるでしょう。
リースバックとの違い(設備が必要か)
リースバックとは、所有している設備や不動産を売却し、同時にリース契約を結んで継続使用する方法です。
リースバックのメリットは、まとまった資金を調達できる点と、設備を継続して使用できる点です。高額な医療機器を保有している医療機関にとっては、有効な資金調達手段となる可能性があります。
一方、デメリットとしては、設備の所有権を失う点、リース料が継続的に発生する点などが挙げられます。また、リースバックの対象となる設備がなければ利用できません。
ファクタリングは売掛債権さえあれば利用できるため、設備の有無に関係なく活用できるという点で、より汎用性の高い資金調達方法と言えます。
【比較表】病院の資金調達方法を一覧で確認
以下に、病院が利用できる主な資金調達方法を一覧表にまとめました。
| 資金調達方法 | 調達速度 | コスト | 審査難易度 | 担保・保証人 | 負債計上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 銀行融資 | 遅い(2週間~1ヶ月) | 低い(年1%~5%) | 高い | 必要なことが多い | される |
| 日本政策金融公庫 | 遅い(2週間~1ヶ月) | 低い(年1%~3%) | やや高い | 必要なことが多い | される |
| 診療報酬担保ローン | やや遅い(1~2週間) | 低い~中程度 | やや高い | 債権担保 | される |
| ファクタリング(3社間) | 早い(1週間程度) | 低い(0.25%~2%/回) | 低い | 不要 | されない |
| ファクタリング(2社間) | 非常に早い(最短即日) | 中程度(5%~10%/回) | 低い | 不要 | されない |
| リースバック | やや遅い(1~2週間) | 中程度 | 中程度 | 設備担保 | されない |
| 補助金・助成金 | 非常に遅い(数ヶ月) | 無料 | 高い(採択制) | 不要 | されない |
状況に応じて、最適な資金調達方法を選択することが重要です。急な資金需要にはファクタリング、長期的な設備投資には銀行融資、といった使い分けを検討してみてください。
病院のファクタリング利用の流れと必要書類
ここからは、病院がファクタリングを利用する際の具体的な流れと、必要書類について解説していきます。事前に準備しておくことで、スムーズな手続きが可能になります。
申込から入金までの7ステップ
医療ファクタリングの利用は、一般的に以下の7つのステップで進んでいきます。
ステップ1:ファクタリング会社の選定と問い合わせ
まずは、自社のニーズに合ったファクタリング会社を選び、問い合わせを行います。本記事でご紹介した10社を参考に、複数の会社に相談してみることをおすすめします。多くの会社では、ウェブサイトや電話から無料で相談・見積もりを依頼することができます。
ステップ2:必要書類の提出
ファクタリング会社から指定された書類を提出します。必要書類については次項で詳しく解説しますが、一般的には本人確認書類、決算書、レセプト(診療報酬明細書)などが求められます。
ステップ3:審査
ファクタリング会社による審査が行われます。医療ファクタリングの場合、売掛先(国保連・社保)の信用力は非常に高いため、審査のポイントは主に「診療報酬債権の確実性」と「医療機関の事業継続性」になります。審査期間は会社によって異なりますが、数日~1週間程度が一般的です。
ステップ4:契約条件の提示と合意
審査に通過すると、ファクタリング会社から買取金額、手数料率、入金日などの契約条件が提示されます。内容をしっかりと確認し、疑問点があれば質問してから合意しましょう。
ステップ5:債権譲渡契約の締結
契約条件に合意したら、債権譲渡契約を締結します。契約書の内容(特に償還請求権の有無)は慎重に確認してください。
ステップ6:債権譲渡通知(3社間の場合)
3社間ファクタリングの場合、国保連・社保に対して債権譲渡通知が行われます。これにより、診療報酬の支払い先がファクタリング会社に変更されます。
ステップ7:入金
契約後、指定された期日に買取代金が入金されます。入金後、国保連・社保からファクタリング会社に直接診療報酬が支払われ、取引が完了します。
必要書類一覧(法人確認書類・レセプト・決算書など)
医療ファクタリングを利用する際に必要な書類は、ファクタリング会社によって異なりますが、一般的には以下の書類が求められます。法務省の登記制度に基づく書類なども含まれます。
法人確認書類
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書):法務局で取得可能
- 定款の写し
- 印鑑証明書
代表者確認書類
- 代表者の本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 代表者の印鑑証明書
事業内容確認書類
- 保険医療機関指定通知書の写し
- 医療機関コード
財務関連書類
- 決算書(直近2~3期分)
- 試算表(直近のもの)
- 納税証明書
債権関連書類
- レセプト(診療報酬明細書)の写し
- 診療報酬請求総括表
- 国保連・社保からの入金明細(通帳コピーなど)
その他
- 銀行口座情報(入金先)
- 既存の借入状況がわかる資料
必要書類はファクタリング会社によって異なりますので、事前に確認しておくことをおすすめします。書類の準備に時間がかかる場合もありますので、余裕を持って準備を進めましょう。
審査で見られるポイント(病床稼働率・過去請求実績)
医療ファクタリングの審査では、主に以下のポイントが見られます。厚生労働省が公表している病院経営に関する指標なども、審査の参考にされることがあります。
診療報酬債権の確実性
最も重視されるのは、譲渡される診療報酬債権が確実に入金されるかどうかです。過去の診療報酬請求実績や、レセプトの返戻率などがチェックされます。返戻率が高い(請求が差し戻される率が高い)場合は、審査に影響する可能性があります。
医療機関の事業継続性
医療機関が継続して事業を行っているか、今後も事業を継続する見込みがあるかも重要なポイントです。病床稼働率、外来患者数、収益の推移などがチェックされる場合があります。
経営状況
決算書に基づいて、医療機関の経営状況が確認されます。赤字決算であっても審査に通る可能性はありますが、債務超過の状態が続いている場合や、事業継続に疑問がある場合は、審査が厳しくなる可能性があります。
既存の債権譲渡状況
すでに他のファクタリング会社に債権を譲渡している場合、重複して譲渡することはできません。既存の債権譲渡状況も確認されます。
審査に不安がある場合でも、まずは相談してみることをおすすめします。医療ファクタリングは売掛先の信用力が高いため、一般的なファクタリングよりも審査に通りやすい傾向があります。
よくある質問(FAQ)
医療ファクタリングに関して、よくいただくご質問にお答えいたします。
Q1. 開業したばかりの病院でも利用できますか?
A: 開業直後でも利用できる可能性があります。
経済産業省でも、創業期の企業の資金調達手段としてファクタリングを紹介しています。医療ファクタリングの場合、売掛先が国保連・社保という公的機関であるため、開業直後の医療機関でも審査に通る可能性は十分にあります。
ただし、診療報酬の請求実績がまだ少ない段階では、買取可能額が制限される場合があります。また、ファクタリング会社によっては、一定期間の事業実績を求めるケースもありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
Q2. 赤字決算でも審査は通りますか?
A: 赤字決算でも審査に通る可能性はあります。
医療機関の多くが厳しい経営状況にあり、赤字決算となっている医療機関も少なくありません。医療ファクタリングでは、医療機関自体の経営状況よりも、売掛先(国保連・社保)の信用力が重視されます。
赤字決算であっても、診療報酬の請求実績があり、事業を継続している医療機関であれば、審査に通る可能性は十分にあります。ただし、債務超過の状態が長期間続いている場合や、事業継続に疑問がある場合は、審査が厳しくなる可能性もあります。
Q3. 医師会や病院団体にバレることはありますか?
A: 基本的にバレることはありません。
法務省の登記制度に基づく債権譲渡登記が行われる場合、登記簿を調べれば債権譲渡の事実を確認することは可能です。しかし、医師会や病院団体が積極的に登記簿を調査することは通常考えられません。
3社間ファクタリングの場合、国保連・社保に対して債権譲渡通知が行われますが、これらの機関がファクタリングの利用状況を外部に公開することはありません。医師会や他の医療機関に知られることなく、ファクタリングを利用することが可能です。
Q4. 確定申告でどのように処理しますか?
A: ファクタリング手数料は「売掛債権売却損」として経費計上できます。
国税庁の税務上の取り扱いによると、ファクタリングは売掛債権の売却取引として扱われます。債権の額面金額と、実際に受け取った金額との差額(手数料相当額)は、「売掛債権売却損」として経費計上することができます。
具体的な会計処理については、顧問税理士や会計士に相談されることをおすすめします。
Q5. ファクタリングは違法ではありませんか?
A: 適正な運営を行っているファクタリング会社のサービスは違法ではありません。
金融庁の見解によると、売掛債権の売買(ファクタリング)自体は合法的な取引です。ただし、「ファクタリング」を装った違法な貸付け(偽装ファクタリング)には注意が必要です。
適正なファクタリングと違法な偽装ファクタリングの主な違いは、「償還請求権」の有無です。売掛先から回収できなかった場合に買い戻しを求められる「償還請求権あり」の契約は、実質的に担保付き融資に該当し、貸金業法の規制対象となる可能性があります。
本記事でご紹介したファクタリング会社は、いずれも適正な運営を行っている会社ですが、契約の際には契約書の内容(特に償還請求権の有無)を必ず確認するようにしてください。
まとめ:病院のファクタリングで安心・お得に資金調達する方法
本記事では、病院のファクタリング(医療ファクタリング)について、仕組みから選び方、おすすめ会社まで詳しく解説してまいりました。
医療ファクタリングは、診療報酬の入金まで約2ヶ月かかるという医療機関特有のキャッシュフロー問題を解決する有効な手段です。売掛先が国保連・社保という公的機関であるため、一般的なファクタリングよりも低い手数料で、審査に通りやすいという特徴があります。
今すぐ資金が必要な方 → 2社間ファクタリング対応会社を検討
- ポイント:最短即日~1週間で入金可能
- おすすめ:ビートレーディング、日本中小企業金融サポート機構
手数料を抑えたい方 → 3社間ファクタリング対応会社を検討
- ポイント:手数料0.25%~と低水準
- おすすめ:三菱HCキャピタル、アクリーティブ
確実に安全にファクタリングを利用するための3つのポイント
- 複数社から見積もりを取り、手数料を比較する
- 同じ債権でも、会社によって手数料は異なります。最低でも2~3社から見積もりを取り、比較検討しましょう。
- 金融庁の注意喚起ページで悪徳業者をチェック
- 偽装ファクタリング(実質的に違法な貸付け)に注意。契約書の「償還請求権」の有無は必ず確認してください。
- 長期利用は避け、一時的な資金需要に限定する
- ファクタリングは一時的な資金調達には有効ですが、長期的に依存すると資金繰りがかえって悪化するリスクがあります。根本的な経営改善と並行して、計画的に利用することが重要です。
キャッシュフローにお困りの病院経営者の方は、まずは気軽に複数のファクタリング会社に相談してみてください。
本記事でご紹介した情報が、安心・安全・お得な資金調達のお役に立てれば幸いです。