ファクタリングと電債(でんさい)の違いを徹底比較!7つの違いと選び方【2026年最新】

ファクタリングと電債(でんさい)の違いを徹底比較!7つの違いと選び方【2026年最新】

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FundBridge編集部

FundBridge ファクタリングスペシャリスト

監修者 FundBridge編集部

FundBridge編集部は、国内165社のファクタリング会社を実際に調査し、手数料・入金スピード・審査通過率・対応金額・必要書類数などを独自の基準で収集・データベース化しています。調査結果はファクタリング会社カオスマップ2026として公開しており、業界全体を俯瞰できる一次データに基づいて記事の執筆・監修を行っています。また、実際にファクタリングを利用した方から寄せられた口コミ・評判も収集・掲載しており、利用者のリアルな声を反映した情報提供を心がけています。各社の公式情報だけでなく、現場の体験談も踏まえた多角的な視点で、信頼性の高いコンテンツ制作に取り組んでいます。

「売掛金を早く現金化したいけど、ファクタリングとでんさい(電子記録債権)はどちらを使えばいいの?」

「手形が廃止されると聞いたけど、今後の資金調達はどうすればいいの…」

このような資金繰りのお悩みを抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、ファクタリングと電債(でんさい)は「売掛債権を活用した資金調達」という点では共通しているものの、仕組み・コスト・リスクの面で大きく異なります。どちらが最適かは、あなたの会社の状況や目的によって変わってきます。

本記事では、以下の情報を詳しく解説していきます。

この記事で分かること

  • ファクタリングと電債(でんさい)の7つの違いを比較表で一覧化
  • それぞれのメリット・デメリットと具体的なコスト比較
  • あなたの会社に合うのはどちらか?業種・状況別の判断基準
  • 2026年手形廃止を見据えた今後の資金調達戦略
  1. 【結論】ファクタリングと電債(でんさい)の違い一覧比較表
  2. そもそも電債(でんさい)とは?仕組みをわかりやすく解説
  3. ファクタリングとは?仕組みと2社間・3社間の違い
  4. ファクタリングと電債(でんさい)の7つの違いを詳しく解説
  5. ファクタリングと電債(でんさい)のメリット・デメリットを徹底比較
  6. 【独自】あなたの会社に合うのはどちら?業種・状況別の判断基準
  7. 【2026年最新】手形廃止でどう変わる?でんさいとファクタリングの今後
  8. 悪徳業者に騙されないために|安全なファクタリング会社の見分け方
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ:ファクタリングと電債(でんさい)の違いを理解して最適な資金調達を

【結論】ファクタリングと電債(でんさい)の違い一覧比較表

まず結論として、ファクタリングと電債(でんさい)の主な違いを一覧表で確認していきましょう。両者はまったく異なる仕組みを持つ資金調達手段です。それぞれの特徴を正しく理解したうえで、自社に合った方法を選ぶことが大切になります。

比較項目ファクタリングでんさい(電子記録債権)割引
仕組み売掛債権の「売買(譲渡)」電子記録債権の「割引」
取扱機関ファクタリング会社(民間)でんさいネット加盟金融機関(銀行等)
手数料の目安2社間:8〜18%/3社間:1〜9%1.5〜5%程度(銀行の割引料)
償還請求権(未回収リスク)なし(ノンリコースが一般的)あり(利用者が返済義務を負う)
審査基準売掛先の信用力重視利用者自身の財務状況も重視
資金化スピード最短即日〜数日数日〜1週間程度
売掛先への通知2社間なら不要原則通知あり(でんさいネットに記録)

この比較表だけを見ると「ファクタリングは手数料が高いけどスピードとリスク回避に優れている」「でんさいはコストが安いけど審査が厳しく、未回収リスクを自社が負う」という傾向が見えてきます。ただし、これだけでどちらが良いかを判断するのは早計です。

以下では、それぞれの違いをさらに詳しく解説していきます。

違いを理解するうえで押さえておきたい前提知識

ファクタリングと電債(でんさい)の違いを理解するためには、まず「そもそも比較対象として適切なのか」という点を押さえておくことが重要です。

ファクタリングは売掛債権を売却して資金化する「サービス」であり、でんさいは電子記録債権という「制度(債権の種類)」です。

つまり、厳密にはファクタリングと比較すべきは「でんさい割引(電子記録債権を金融機関に割引してもらい、期日前に現金化すること)」になります。

本記事では、一般的な検索意図に合わせて「ファクタリング vs でんさい(でんさい割引を含む)」として比較を行っていきます。

また、ファクタリングは「融資(借入)」ではなく「債権の売買」である点も非常に重要です。ファクタリングを利用しても借入金は増えませんし、信用情報機関への登録も行われません。この点はでんさい割引も同様で、どちらも「借入」ではない資金調達手段として位置づけられています。

7つの違いの中で最も重要な「償還請求権」の意味

7つの違いの中でも特に注意していただきたいのが「償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)」の有無です。償還請求権とは、売掛先が倒産などで支払えなくなった場合に、ファクタリング会社や金融機関が利用者に対して「買い戻し」を求めることができる権利のことです。

e-Gov法令検索で確認できる民法の債権譲渡に関する規定に基づき、一般的なファクタリング(買取型)では償還請求権のない「ノンリコース契約」が主流です。つまり、万が一売掛先が倒産しても、利用者が責任を負う必要はありません。

一方、でんさい割引は手形割引と同じ性質を持つため、償還請求権が発生します。売掛先が支払不能になった場合、でんさいを割引した利用者は金融機関に対して弁済する義務が生じるのです。

この違いは、資金調達のリスクを考えるうえで非常に大きなポイントとなります。

手数料とリスクはトレードオフ——コスト比較の正しい見方

比較表を見て「でんさいのほうが手数料が安いからお得だ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。たしかに数字だけを比較すると、でんさい割引の1.5〜5%に対してファクタリング(2社間)の8〜18%は高く感じられるでしょう。

しかし、資金調達のコストは「手数料率」だけで判断すべきではありません。ファクタリングの手数料には「未回収リスクの移転コスト」が含まれています。つまり、売掛先が倒産した場合のリスクをファクタリング会社が引き受ける分、手数料が高くなっているのです。

でんさい割引は手数料が低い代わりに、未回収リスクは利用者が負担します。手数料の安さだけに目を奪われると、売掛先の倒産リスクという「見えないコスト」を見落としてしまう可能性があるため注意が必要です。

そもそも電債(でんさい)とは?仕組みをわかりやすく解説

ファクタリングと電債の違いをより深く理解するために、まずは電債(でんさい)の基本的な仕組みから確認していきましょう。「電債」「でんさい」「電子記録債権」はすべて同じものを指していますが、正式名称は「電子記録債権」です。

ここでは、初めて聞く方にもわかりやすいよう丁寧に解説していきます。

電子記録債権(でんさい)の基本的な仕組みと「でんさいネット」の役割

電子記録債権(でんさい)とは、従来の手形や売掛債権を電子化し、オンライン上で取引できるようにした新しい金銭債権のことです。2008年12月に施行された「電子記録債権法」により制度が創設され、2013年2月から株式会社全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)がサービスの提供を開始しています。

でんさいネットは、一般社団法人全国銀行協会が100%出資して設立した電子債権記録機関です。2024年時点で1,300を超える金融機関が加盟しており、発生記録請求件数は830万件を超えて過去最高を更新しています。

でんさいの仕組みを簡単にご説明しますと、支払企業が取引金融機関を通じてでんさいネットの「記録原簿」に発生記録を行うことで電子記録債権が発生します。従来の紙の手形では郵送や押印が必要でしたが、でんさいではすべてオンラインで完結するため、事務負担が大幅に軽減されるのが特徴です。

また、でんさいは手形と同様に「譲渡」や「分割」が可能です。手形ではできなかった「一部分割して譲渡する」という柔軟な運用もでき、企業間取引の利便性が高まっています。

でんさい割引とは?手形割引との違い

でんさい割引とは、保有している電子記録債権(でんさい)を支払期日前に金融機関に割引(売却)して現金化する方法のことです。仕組みとしては「手形割引」の電子版と考えていただくとわかりやすいでしょう。

手形割引との主な違いは、紙の手形を物理的に金融機関に持ち込む必要がなく、オンラインで割引の申込が完了する点です。印紙税も不要ですので、取引量が多い企業ほどコスト削減のメリットを享受できます。

ただし、でんさい割引には手形割引と同様に「償還請求権」が伴います。つまり、売掛先(でんさいの債務者)が支払不能となった場合、割引を受けた利用者が金融機関に対して弁済する責任を負うことになります。この点はファクタリングとの大きな違いであり、後ほど詳しく解説していきます。

割引料(手数料率)は金融機関や取引条件によって異なりますが、一般的には1.5〜5%程度が目安とされています。銀行での割引が中心となるため、ファクタリングに比べてコストが低い傾向にあるのが特徴です。

でんさいの利用開始から資金化までの流れ(4ステップ)

でんさいを利用して資金化するまでの流れは、以下の4つのステップで進みます。

ステップ1は「でんさいネットへの利用申込」です。取引金融機関の窓口を通じて、でんさいネットへの利用申込を行います。金融機関での審査があり、通過すれば利用契約を締結できます。ただし、融資と同様の審査が行われるため、自社の財務状況や経営状態が確認されます。

ステップ2は「電子記録債権の発生」です。取引先(支払企業)が金融機関を通じてでんさいネットの記録原簿に発生記録を行うことで、電子記録債権が発生します。なお、取引先もでんさいネットに登録している必要がある点にご注意ください。

ステップ3は「でんさい割引の申込」です。保有する電子記録債権を支払期日前に現金化したい場合、金融機関にでんさい割引を申し込みます。金融機関による審査・承認を経て、割引料を差し引いた金額が口座に振り込まれます。

ステップ4は「支払期日の自動決済」です。支払期日が到来すると、でんさいネットを通じて自動的に口座間の送金が行われます。利用者側で取立手続きを行う必要がなく、手形のように銀行窓口に持ち込む手間がかかりません。

ファクタリングとは?仕組みと2社間・3社間の違い

続いて、ファクタリングの基本的な仕組みを解説していきます。ファクタリングは「借入」ではなく「売掛債権の売買」であるという点を、まずしっかりと押さえておきましょう。

ファクタリング(売掛債権の買取)の基本的な仕組み

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却し、支払期日前に現金化するサービスのことです。金融庁の解説にもある通り、法的には「債権譲渡」にあたり、貸金業法の規制対象外となります。

つまり、ファクタリングは「お金を借りる」のではなく「持っている債権を売る」行為です。そのため、利用しても借入金が増えることはなく、貸借対照表(バランスシート)への影響が融資とは異なります。また、信用情報機関(CICやJICCなど)に登録されることもないため、今後の融資審査に影響を与えにくいのが大きなメリットです。

ファクタリングの仕組みはシンプルで、利用者が売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、ファクタリング会社は手数料を差し引いた金額を利用者に支払います。売掛先からの入金日が来たら、その代金をファクタリング会社が回収するという流れです。

ここで重要なのが「償還請求権なし(ノンリコース)」の契約が一般的であるという点です。売掛先が倒産して代金が回収できなくなった場合でも、利用者が買い戻す義務を負わない契約形態が主流となっています。ただし、一部の悪質な業者では償還請求権ありの契約を結ばせるケースもあるため、契約内容はしっかり確認してください。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い

ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2つの取引形態があります。e-Gov法令検索で確認できる民法第466条(債権の譲渡性)を法的根拠としていますが、取引に関わる当事者の数が異なり、それぞれ特徴があります。

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2者間で契約を行う形態です。売掛先に通知する必要がないため、取引先にファクタリングの利用を知られたくない場合に適しています。一方で、ファクタリング会社にとっては売掛先との直接的な関係がないためリスクが高く、手数料は8〜18%程度と比較的高めに設定されています。

3社間ファクタリングは、利用者・売掛先・ファクタリング会社の3者間で契約を行う形態です。売掛先の承諾が必要となるため利用までに時間がかかりますが、ファクタリング会社が売掛先から直接代金を回収できるため、リスクが低く手数料は1〜9%程度と2社間に比べて安くなります。

どちらの形態を選ぶかは、「スピード・秘密性を重視するか」「コストを重視するか」によって判断していただくとよいでしょう。

ファクタリングの申込から入金までの流れ(4ステップ)

ファクタリングの利用手順は、でんさい割引と比較するとシンプルです。

ステップ1は「申込・相談」です。ファクタリング会社にオンラインまたは電話で申込を行います。オンライン完結型のサービスであれば、24時間いつでも申込が可能です。

ステップ2は「必要書類の提出」です。一般的に必要な書類は、本人確認書類、売掛金の証明書類(請求書・契約書など)、通帳のコピー、場合によっては確定申告書などです。でんさい割引と比べて必要書類が少ないのが特徴で、融資のような詳細な事業計画書は通常必要ありません。

ステップ3は「審査・契約締結」です。ファクタリング会社による審査が行われます。審査では主に売掛先の信用力が重視されるため、利用者自身の財務状況が厳しい場合でも審査に通る可能性があります。審査通過後、契約を締結します。

ステップ4は「買取代金の入金」です。契約締結後、手数料を差し引いた買取代金が指定口座に振り込まれます。最短即日〜2時間程度での入金に対応しているファクタリング会社もあり、緊急の資金ニーズに対応できるのが大きな強みです。

ファクタリングと電債(でんさい)の7つの違いを詳しく解説

ここからは、冒頭の比較表で示した7つの違いについて、さらに詳しく解説していきます。それぞれの違いが実際のビジネスにどのような影響を与えるのかを理解することで、自社に合った資金調達方法を正しく判断できるようになります。

違い①|取扱機関とネットワークの違い——銀行 vs 民間ファクタリング会社

ファクタリングとでんさいの最も根本的な違いは、サービスを提供する機関の性質です。でんさいネットは一般社団法人全国銀行協会が100%出資して設立した組織であり、参加金融機関は全国の銀行、信用金庫、信用組合、商工中金など1,300以上にのぼります。つまり、でんさいは金融界全体で運営されている公的な性格の強いインフラといえるでしょう。

でんさいを利用する場合、債権の発生・譲渡・割引などはすべてでんさいネットの記録原簿を通じて行われます。どの金融機関で手続きしても書式は統一されており、安心感があるのが特徴です。ただし、取引先もでんさいネットに登録していなければ利用できないという制約があります。

一方、ファクタリングはファクタリング会社(民間事業者)を通じて売掛債権の売買を行います。でんさいのような共通のネットワークは存在しないため、個々のファクタリング会社と契約を締結する形になります。ファクタリング会社ごとに手数料や審査基準、対応スピードが異なるため、複数社を比較検討することが重要です。

なお、でんさいネットに加盟する金融機関の関連会社がファクタリングを行う「でんさいファクタリング」というサービスも存在しますが、これについては後ほど詳しくご紹介します。

違い②|手数料・コストの違い——トータルコストで比較する重要性

手数料の違いは、多くの方が最も気になるポイントではないでしょうか。

まず、でんさい割引の手数料(割引料)は、一般的に年利換算で1.5〜5%程度です。銀行が窓口となるため、金利水準は融資に近い低い水準に抑えられています。加えて、でんさいは電子データでの取引のため、紙の手形で必要だった印紙税(手形の額面に応じて200円〜20万円)が不要です。大量の取引を行う企業にとっては、年間で数百万円規模のコスト削減になるケースもあります。

一方、ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングで8〜18%程度、3社間ファクタリングで1〜9%程度が相場です。でんさい割引と比較すると高く感じるかもしれませんが、この手数料には「売掛先の倒産リスクをファクタリング会社が引き受けるコスト」が含まれている点を忘れてはいけません。

トータルコストで考える場合には、以下の要素も加味して比較することをおすすめします。

コスト項目ファクタリングでんさい割引
手数料率2社間:8〜18%/3社間:1〜9%1.5〜5%
印紙税不要(電子契約の場合)不要
事務コスト取引ごとに契約手続きが必要初回登録後はオンラインで完結
導入コスト基本なし(審査費用のみ)でんさいネット登録費用+金融機関の利用手数料
リスクコスト(実質負担)なし(ノンリコースの場合)売掛先倒産時に弁済義務あり

このように、表面上の手数料率だけでなく「リスクコスト」まで含めたトータルで判断することが大切です。

違い③|償還請求権の有無——未回収リスクは誰が負うのか

償還請求権の有無は、ファクタリングとでんさいの最も本質的な違いといえます。e-Gov法令検索で確認できる民法の規定に基づき、それぞれの仕組みを詳しくご説明します。

ファクタリング(買取型)では、一般的に償還請求権のない「ノンリコース契約」が採用されています。これは、売掛先が倒産や経営悪化により支払不能となった場合でも、利用者はファクタリング会社に対して弁済する義務を負わないという契約です。売掛金の未回収リスクはファクタリング会社が引き受けるため、利用者にとっては「貸し倒れリスクの移転」が可能になります。

一方、でんさい割引には償還請求権が伴います。これは手形割引と同じ性質で、でんさいの債務者(売掛先)が支払期日に支払不能となった場合、割引を受けた利用者が金融機関に対して弁済する義務を負います。

でんさいの支払不能に関する処理についてはでんさいネットのQ&Aでも詳しく解説されており、支払不能が発生した場合には「取引停止処分」の対象となるため、債務者側にも強い抑止力が働く仕組みにはなっています。

とはいえ、予期せぬ取引先の倒産は起こり得ますので、特に特定の売掛先への依存度が高い企業にとっては、償還請求権の有無は非常に重要な判断材料となります。

例えば、売掛先A社に対して1,000万円のでんさいを割引した場合、A社が倒産すると利用者は最大1,000万円の弁済義務を負う可能性があります。同じ1,000万円の売掛金をファクタリング(ノンリコース)で売却していた場合、手数料を支払った分は戻りませんが、A社倒産による追加負担は発生しません。この違いは、資金繰りの安定性を考えるうえで見逃せないポイントです。

違い④|審査基準の違い——「自社の信用力」vs「売掛先の信用力」

審査基準の違いも、利用のしやすさに直結する重要なポイントです。中小企業の多くが銀行融資の審査に苦労している実態があり、審査基準の違いは資金調達手段を選ぶうえで決定的な要因となることがあります。

でんさい割引の審査は、銀行融資に近い形式で行われます。でんさいネットへの登録時に利用者自身の財務状況や経営状態が審査されるほか、割引の際にも金融機関による審査が行われます。つまり、「自社の信用力」が審査の重要なポイントとなるため、赤字決算や税金の滞納がある場合は利用が難しくなる可能性があります。

一方、ファクタリングの審査では「売掛先の信用力」が最も重視されます。ファクタリング会社が回収するのは売掛先からの代金ですので、売掛先の経営状態や信用度が審査の中心になります。そのため、利用者自身が赤字であったり、負債を抱えていたりしても、売掛先が信用力の高い企業(上場企業や官公庁など)であれば審査に通りやすいのが大きな特徴です。

この違いは特に、創業間もない企業や経営が一時的に厳しい状況にある企業にとって大きな意味を持ちます。でんさい割引の審査に通らなくても、ファクタリングなら資金調達できるケースは珍しくありません。

違い⑤|資金化スピードの違い——即日 vs 数日〜1週間

キャッシュフローに困っている状況では、「いつ現金が手に入るか」が切実な問題です。ファクタリングとでんさい割引では、資金化までのスピードに大きな差があります。

ファクタリングの最大の強みのひとつが、資金化スピードの速さです。オンライン完結型のサービスでは、最短2時間での入金実績を持つ会社もあります。一般的にも、申込当日〜翌営業日には入金されるケースが多く、急な資金需要に対応しやすいのが特徴です。特に2社間ファクタリングでは、売掛先への通知が不要なため手続きが簡略化され、スピーディーに資金化できます。

でんさい割引の場合は、すでにでんさいネットに登録済みの企業であれば、比較的短時間で割引の手続きが可能です。金融機関によっては10分程度で割引の可否を回答してもらえるケースもありますが、実際に口座に入金されるまでには数時間〜数日程度かかるのが一般的です。

ただし、でんさいを初めて利用する場合は、でんさいネットへの登録手続きから始めなければなりません。登録には金融機関での審査があり、完了までに1〜2週間程度要する場合があります。そのため、「今すぐ資金が必要」という緊急の場面では、ファクタリングのほうが適していると言えるでしょう。

違い⑥|売掛先への通知と契約手続きの違い

「売掛先にファクタリングの利用を知られたくない」という経営者の方は少なくありません。取引先に資金繰りの厳しさが知られると、今後の取引関係に影響が出るのではないかという懸念があるためです。この点でも、ファクタリングとでんさいには大きな違いがあります。

法務省の債権譲渡登記制度に関する情報にもある通り、2社間ファクタリングでは売掛先への通知なしで利用できます。ファクタリング会社と利用者の間だけで契約を締結し、売掛先には知られずに資金調達が可能です。ただし、債権譲渡の対抗要件を備えるために「債権譲渡登記」が行われる場合があります(法人のみ)。

3社間ファクタリングでは、売掛先の承諾が必要となるため、ファクタリングの利用が売掛先に知られることになります。

でんさいの場合は、電子記録債権の発生時点で取引先(支払企業)もでんさいネットに登録している必要があり、債権の譲渡や割引の記録もでんさいネット上に残ります。原則として取引先にも通知されるため、秘密性という観点ではファクタリング(2社間)のほうが優れていると言えるでしょう。

契約手続きの面では、でんさいは初回の登録さえ済めば以降はオンラインで効率的に手続きが可能です。一方、ファクタリングは取引ごとに契約手続きが必要になるケースが多く、継続的な利用を想定する場合はやや手間がかかります。ただし、同じファクタリング会社を継続利用することで手続きが簡略化されることもあります。

違い⑦|会計処理(仕訳・勘定科目)の違い

経理担当者の方にとって気になるのが、会計処理の違いではないでしょうか。国税庁の取り扱いに基づき、ファクタリングとでんさいでは使用する勘定科目が異なりますので、正しく理解しておくことが大切です。

でんさいの会計処理では、勘定科目として「電子記録債権」「電子記録債務」を使用します。たとえば、商品を販売してでんさいで代金を受け取る場合、まず売掛金を計上し、電子記録債権が発生した時点で「売掛金」を「電子記録債権」に振り替えます。でんさい割引を行った場合は「電子記録債権」を「現金預金」と「割引料(支払利息)」に振り替える仕訳を行います。

ファクタリングの会計処理では、売掛金をファクタリング会社に売却した時点で「売掛金」を「現金預金」と「売上債権売却損(ファクタリング手数料)」に振り替えます。ファクタリングは融資ではなく債権の売却であるため、「借入金」や「支払利息」ではなく「売上債権売却損」として費用計上するのがポイントです。

この勘定科目の違いは、決算書の見え方にも影響します。ファクタリングを利用しても借入金は増えないため、自己資本比率などの財務指標に悪影響を与えにくいというメリットがあります。

ファクタリングと電債(でんさい)のメリット・デメリットを徹底比較

ここまでの違いを踏まえたうえで、ファクタリングとでんさいそれぞれのメリット・デメリットを整理していきましょう。どちらの方法にも良い点と注意すべき点がありますので、自社の状況に照らし合わせて判断することが重要です。

ファクタリングのメリット4つ

ファクタリングの最大のメリットは、緊急時にも対応できるスピードとリスク回避の両立にあります。

主なメリットを4つご紹介します。

1つ目は「最短即日で資金化できる」点です。オンライン完結型のファクタリング会社では、申込から最短2時間で入金されるケースもあります。急な支払いが発生した場合や、月末の資金繰りが厳しい場合に、このスピード感は非常に心強い味方となります。

2つ目は「ノンリコース契約により未回収リスクを回避できる」点です。先ほども解説しましたが、一般的な買取型ファクタリングでは償還請求権がないため、売掛先が倒産しても利用者に追加の負担は発生しません。これは経営の安定性を確保するうえで非常に大きなメリットです。

3つ目は「審査が柔軟で利用しやすい」点です。ファクタリングの審査では売掛先の信用力が重視されるため、自社が赤字決算であっても、税金の滞納があっても利用できる可能性があります。銀行融資やでんさい割引の審査に通らなかった場合の代替手段としても有効です。

4つ目は「信用情報に影響しない」点です。ファクタリングは借入ではなく債権の売却であるため、CICやJICCなどの信用情報機関に登録されません。今後の銀行融資やローンの審査に影響を与えないのは、長期的な経営戦略を考えるうえで重要なポイントです。

ファクタリングのデメリット3つ

一方で、ファクタリングには注意すべきデメリットもあります。

1つ目は「手数料がでんさい割引より高い」点です。特に2社間ファクタリングでは8〜18%程度の手数料がかかるため、頻繁に利用すると資金調達コストが膨らんでしまいます。毎月の運転資金としてファクタリングに依存するような状況は避けたほうがよいでしょう。

2つ目は「悪徳業者が存在するリスク」です。ファクタリング業界には許認可制度がなく、参入障壁が低いため、一部に悪質な業者が存在します。「ファクタリング」を謳いながら実質的に違法な高金利貸付を行う「偽装ファクタリング」には特に注意が必要です。後ほどの「悪徳業者の見分け方」のセクションで詳しく解説していきます。

3つ目は「取引ごとに契約手続きが必要な場合がある」点です。でんさいのように一度登録すれば継続的に利用できる仕組みとは異なり、ファクタリングでは取引ごとに審査・契約を行うケースがあります。ただし、同じファクタリング会社を継続利用することで手続きが簡略化されることもありますので、長期的な取引を前提に信頼できるパートナーを見つけることが重要です。

電債(でんさい)のメリット4つ

でんさいには、銀行ネットワークを活用した安定性とコスト面での優位性があります。

主なメリットを4つ解説していきます。

1つ目は「手数料(割引料)が低い」点です。でんさい割引の手数料は1.5〜5%程度と、ファクタリングに比べて大幅に安く抑えられています。定期的に売掛債権の早期現金化を行う企業にとって、このコスト差は年間で見ると非常に大きな金額になります。

2つ目は「事務手続きの効率化」です。でんさいはすべての手続きがオンラインで完結するため、紙の手形で必要だった作成・押印・郵送・保管といった手間がなくなります。初回の登録さえ済めば、2回目以降はスムーズに手続きが進みます。また、印紙税が不要なため、取引量が多い企業ほどコスト削減効果が大きくなります。

3つ目は「紛失・盗難のリスクがない」点です。紙の手形は物理的に存在するため、紛失や盗難のリスクが常にありました。でんさいは電子データとして管理されるため、こうしたリスクが排除されています。また、ファクタリングで問題となることがある架空債権や二重譲渡も、でんさいでは記録原簿で管理されているため発生しにくい仕組みになっています。

4つ目は「分割譲渡が可能」という柔軟性です。紙の手形ではできなかった債権の「一部分割」が可能で、必要な金額だけを分割して譲渡したり割引したりすることができます。これにより、資金繰りの状況に合わせて柔軟な対応が可能になります。

電債(でんさい)のデメリット4つ

でんさいには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

1つ目は「償還請求権がある(未回収リスクを負う)」点です。繰り返しになりますが、でんさい割引では売掛先が支払不能となった場合に利用者が弁済義務を負います。これはファクタリング(ノンリコース)と比較した場合の最大のリスクであり、特に取引先の経営状態が不安定な場合は慎重に検討する必要があります。

2つ目は「審査が厳しい」点です。でんさいネットへの登録時や割引時の審査は、銀行融資に近い水準で行われます。利用者自身の財務状況や経営状態が審査されるため、赤字決算や債務超過の企業は利用が難しい場合があります。

3つ目は「取引先もでんさいネットに登録している必要がある」点です。でんさいを利用するためには、支払側の企業もでんさいネットに加盟した金融機関を通じて登録を済ませている必要があります。取引先がでんさいに対応していなければ、そもそも利用できないという制約があります。

4つ目は「普及率がまだ十分ではない」点です。でんさいの利用件数は年々増加しているものの、すべての企業に浸透しているわけではありません。特に小規模事業者や個人事業主の間ではまだ認知度が低く、取引先からの理解を得るのに時間がかかるケースもあります。

【独自】あなたの会社に合うのはどちら?業種・状況別の判断基準

ここまでファクタリングとでんさいの違い、メリット・デメリットを詳しく解説してきましたが、「結局、自分の会社にはどちらが合っているの?」と迷われている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、具体的なケース別に最適な選択肢をご紹介していきます。

ファクタリングが向いている企業の特徴と具体的なケース

以下のような状況に当てはまる場合は、ファクタリングの利用をおすすめします。

まず、「今すぐ現金が必要」という緊急性の高い場面です。月末の給与支払いや仕入先への支払いが迫っているのに手元資金が不足しているケースでは、最短即日で資金化できるファクタリングが頼もしい選択肢となります。でんさい割引は利用開始までに時間がかかるため、緊急時には不向きです。

次に、「自社の財務状況に不安がある」場合です。赤字決算が続いている、税金を滞納している、債務超過の状態にあるなど、自社の信用力に課題がある企業にとって、でんさいの審査をクリアするのはハードルが高い可能性があります。ファクタリングは売掛先の信用力を重視するため、自社の財務状況が厳しくても利用できる可能性があります。

さらに、「売掛先の倒産リスクをヘッジしたい」場合です。特定の売掛先への依存度が高く、万が一の倒産リスクに備えたい場合は、ノンリコース契約のファクタリングが有効です。手数料を「リスク移転の保険料」と捉えれば、経営の安定性を確保するための合理的なコストと言えるでしょう。

そのほか、「売掛先にファクタリングの利用を知られたくない」場合は2社間ファクタリングが適していますし、「でんさいネットに登録していない取引先との売掛金を現金化したい」場合もファクタリング一択となります。建設業やIT業界のように、支払サイトが長く資金繰りが厳しくなりがちな業種でもファクタリングは広く活用されています。

電債(でんさい)が向いている企業の特徴と具体的なケース

一方で、以下のような条件に当てはまる企業には、でんさいの利用がおすすめです。

まず、「コストを最小限に抑えたい」場合です。定期的に売掛債権の早期現金化を行う必要がある場合、でんさい割引の1.5〜5%という手数料率は、ファクタリングの8〜18%(2社間の場合)と比較して大幅に安く済みます。年間の取引回数が多いほど、このコスト差は大きな金額になります。

次に、「自社の財務状況に問題がなく、取引先もでんさいに対応している」場合です。でんさいの審査は銀行融資に近い水準で行われるため、自社の信用力に自信がある企業にとってはハードルにならないでしょう。また、取引先がすでにでんさいネットに登録している場合は、スムーズに利用を開始できます。

さらに、「手形取引からの移行を検討している」場合です。2026年度末に向けて紙の手形・小切手の廃止が進められている中、手形割引を利用してきた企業にとっては、でんさい割引は自然な移行先となります。手形と同様に分割や譲渡が可能で、かつオンライン完結で事務コストを削減できるため、手形取引のメリットを維持しながら電子化のメリットを享受できます。

製造業や卸売業など、もともと手形取引が多い業界ではでんさいへの移行が進んでおり、取引先からの理解も得やすい環境が整ってきています。

【判断フローチャート】5つの質問で最適な資金調達方法がわかる

最後に、簡単な5つの質問であなたの会社に合った資金調達方法を判断できるフローチャートをご用意しました。

質問1「今すぐ(1〜2日以内に)資金が必要ですか?」→ Yesなら ファクタリング がおすすめです。でんさいは初回登録に時間がかかるため、緊急時には対応が難しい場合があります。

質問2「取引先(売掛先)はでんさいネットに登録していますか?」→ Noなら ファクタリング を選びましょう。でんさいは取引先も登録していないと利用できません。

質問3「自社の財務状況は良好ですか?(赤字決算・税金滞納なし)」→ Noなら ファクタリング が現実的です。でんさいの審査は銀行融資に近い水準のため、通過が難しい可能性があります。

質問4「売掛先の倒産リスクを自社で負うことに不安がありますか?」→ Yesなら ファクタリング(ノンリコース) を選びましょう。でんさい割引は償還請求権があるため、売掛先の倒産時に弁済義務が生じます。

質問5「定期的に売掛債権を現金化する予定で、コストを最小限にしたいですか?」→ Yesで、質問2〜4がすべてクリアできるなら でんさい割引 がお得です。

このフローチャートはあくまで目安ですが、自社に合った方法を選ぶ第一歩としてお役立てください。なお、ファクタリングとでんさいは「どちらか一方」だけでなく、状況に応じて併用するという選択肢もあります。

【2026年最新】手形廃止でどう変わる?でんさいとファクタリングの今後

ファクタリングと電債(でんさい)の違いを理解するうえで、今まさに進行中の「紙の手形・小切手の廃止」は見逃せないトピックです。

ここでは、2026年度末に向けた動向と、今後の資金調達戦略について解説していきます。

2026年度末「紙の手形・小切手の交換枚数ゼロ」の方針とその影響

全国銀行協会は、2026年度末(2027年3月末)までに「電子交換所における手形・小切手の交換枚数をゼロにする」ことを目標に掲げています。この方針は、2021年6月に政府が公表した「成長戦略実行計画」に基づくもので、産業界・金融界が一体となって電子化を推進しています。

すでに多くの金融機関が、手形帳・小切手帳の新規発行の終了や、2027年4月以降を期日とする手形の代金取立受付の終了を発表しています。三菱UFJ銀行は2026年3月末で他行を支払地とする手形・小切手の預金入金を終了する予定であり、三井住友銀行も同様の対応を進めています。

紙の手形・小切手の利用枚数はピーク時から約20分の1に減少しており、電子化への移行は着実に進んでいます。一方で、でんさいの発生記録請求件数は2024年に830万件を超えて過去最高を記録しており、でんさいへの移行が加速している状況です。

この流れは、中小企業の資金調達にも大きな影響を与えます。これまで手形割引で資金調達を行ってきた企業は、手形廃止に伴いでんさい割引やファクタリングへの移行を迫られることになるためです。

手形廃止後の資金調達——でんさいとファクタリングの併用戦略

手形廃止後の資金調達を考えるうえで、経済産業省は電子記録債権(でんさい)やインターネットバンキングによる振込への移行を推奨しています。しかし、すべての企業にとって「でんさい一択」が最適解とは限りません。

実は、でんさいとファクタリングは対立する関係ではなく、状況に応じて使い分ける「併用戦略」が効果的です。たとえば、普段は低コストのでんさい割引を活用して資金繰りを回しつつ、緊急時にはファクタリングを利用するという方法が考えられます。

また、でんさいネットに登録していない取引先との売掛金はファクタリングで資金化し、でんさい対応している取引先の電子記録債権はでんさい割引で処理するという使い分けも合理的です。自社の取引先の状況や資金繰りのパターンに応じて、最適な組み合わせを検討してみてください。

手形廃止を契機に、自社の資金調達手段を見直すことは、経営の安定性を高めるうえで非常に有意義な取り組みと言えます。まだ対策を始めていない企業の方は、まず取引金融機関にでんさいについて相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

「でんさいファクタリング」という第三の選択肢

ファクタリングとでんさいの「良いとこ取り」とも言えるサービスが「でんさいファクタリング」です。でんさいネットの仕組みを活用したこのサービスは、電子記録債権をファクタリング会社に売却して資金化する方法です。

でんさいファクタリングの特徴は、通常のファクタリングと同様に売掛債権を売却する仕組みでありながら、でんさいネットのインフラを利用するため取引の透明性が高い点にあります。ただし、でんさいファクタリングを取り扱えるのは、でんさいネットに加盟している金融機関またはその関連会社に限られます。民間のファクタリング会社は対応できないため、選択肢は限定されます。

でんさいファクタリングのメリットとしては、通常のでんさい割引と比べて手続きが簡単な場合がある点や、ファクタリング会社側でリスクを引き受ける場合がある点が挙げられます。デメリットとしては、でんさいを利用していることが前提となるため利用条件が限定される点や、取扱機関が金融機関の関連会社に限られるため選択肢が少ない点があります。

でんさいファクタリングは「でんさいを利用中で、さらに柔軟な資金化手段を探している」企業にとって有力な選択肢です。興味のある方は、取引金融機関にでんさいファクタリングの取扱いがあるか確認してみることをおすすめします。

悪徳業者に騙されないために|安全なファクタリング会社の見分け方

ファクタリングの利用を検討する際に、忘れてはならないのが悪徳業者への注意です。ファクタリング業界には許認可制度が存在しないため、一部に悪質な業者が紛れ込んでいる現状があります。

ここでは、安全にファクタリングを利用するためのポイントを解説していきます。

注意すべき3つの危険サイン(高額手数料・償還請求権あり・契約書の不備)

以下の3つの危険サインに該当する業者は利用を避けてください。

1つ目の危険サインは「著しく高額な手数料」です。2社間ファクタリングの相場は8〜18%程度ですが、20%を大幅に超えるような手数料を提示する業者は要注意です。法外な手数料を請求する業者は、実質的に違法な高金利貸付を行っている「偽装ファクタリング(闇金)」の可能性があります。

2つ目の危険サインは「償還請求権ありの契約」です。正規のファクタリング(買取型)はノンリコース契約が一般的ですが、償還請求権ありの契約を結ばせようとする業者は、実態が貸金業にあたる可能性があります。償還請求権があるということは、売掛先が支払えなければ利用者が返済しなければならないということであり、これは事実上の「借入」と変わりません。

貸金業登録をせずにこのような取引を行うことは、貸金業法に違反するおそれがあります。

3つ目の危険サインは「契約書の不備」です。契約書の内容があいまいだったり、契約書そのものを交付しなかったりする業者は論外です。手数料の内訳、償還請求権の有無、債権譲渡の詳細、解約条件などが明記された契約書を必ず確認してから署名してください。

「給与ファクタリング」は違法な貸付——絶対に利用しないでください

「給与ファクタリング」と呼ばれるサービスは、ファクタリングの名を借りた実質的な違法貸付です。

給与ファクタリングとは、個人が将来受け取る予定の給与を「売掛債権」と見なして買い取ると称するサービスですが、最高裁判所の判決でも「貸金業に該当する」と判断されています。給与は労働基準法により労働者に直接支払うことが義務付けられており、第三者に譲渡する対象にはなりません。

給与ファクタリング業者は、法外な手数料(年利換算で数百〜数千%に相当するケースも)を請求し、返済できない場合は厳しい取り立てを行うことがあります。「給与ファクタリング」「給料前払い」「給与買取」などの名称で勧誘してくる業者には絶対に応じないでください。

トラブル時の相談先一覧(金融庁・消費生活センター・警察)

万が一、悪質なファクタリング業者とのトラブルに巻き込まれた場合や、不審な業者に出会った場合は、以下の相談窓口に連絡することをおすすめします。

金融庁の「金融サービス利用者相談室」では、ファクタリングに関するトラブルの相談を受け付けています。電話番号は0570-016811で、平日10時〜17時に対応しています。

各地域の消費生活センター(消費者ホットライン:188)でも、ファクタリングに関するトラブルの相談が可能です。身近な相談窓口として、まずはこちらに連絡してみるのもよいでしょう。

違法な貸付や脅迫的な取り立てなど、犯罪が疑われる場合は最寄りの警察署に相談してください。緊急の場合は110番通報も検討してください。

いずれの相談窓口も無料で利用できますので、少しでも不審に感じたら早めに相談することが大切です。

よくある質問(FAQ)

ファクタリングと電債(でんさい)の違いに関して、よくいただくご質問にお答えしていきます。

Q1. ファクタリングと電債(でんさい)、手数料が安いのはどちらですか?

A: 手数料率だけで比較すると、でんさい割引(1.5〜5%)のほうがファクタリング(2社間:8〜18%)より安くなります。

ただし、資金調達のコストは単純な手数料率だけで判断すべきではありません。ファクタリングの手数料には「未回収リスクの移転コスト」が含まれており、でんさい割引は手数料が安い代わりに売掛先が倒産した場合の弁済義務を利用者が負います。リスクまで含めたトータルコストで比較することが重要です。

Q2. 個人事業主でも電債(でんさい)を利用できますか?

A: 制度上は個人事業主でもでんさいの利用は可能ですが、実際にはハードルが高いのが現状です。

でんさいネットへの登録には金融機関での審査があり、個人事業主の場合は法人と比べて審査が厳しくなる傾向があります。また、取引先がでんさいネットに登録していることが前提となるため、小規模な取引先が多い個人事業主にとっては利用しにくい面があります。

個人事業主の方で売掛債権の早期現金化を希望する場合は、個人事業主対応のファクタリングサービスを検討されるほうが現実的でしょう。

Q3. ファクタリングを利用すると売掛先にバレますか?

A: 2社間ファクタリングであれば、原則として売掛先に知られずに利用できます。

2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社の間だけで契約を行うため、売掛先への通知は不要です。ただし、法務省が管轄する債権譲渡登記が行われる場合があり、登記情報は閲覧可能であるため、理論上は売掛先が確認できる状態にはなります。とはいえ、実務上、売掛先が積極的に債権譲渡登記を調べるケースはまれです。一方、3社間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要なため、利用は知られることになります。

Q4. でんさいの審査に落ちた場合、ファクタリングは利用できますか?

A: はい、でんさいの審査に落ちた場合でもファクタリングは利用できる可能性が高いです。

でんさいの審査は利用者自身の財務状況を重視しますが、ファクタリングの審査では売掛先の信用力が中心となります。でんさいの審査に通らなかった場合の代替手段として、ファクタリングは有効な選択肢です。売掛先が上場企業や大手企業、官公庁などであれば、審査に通る可能性がさらに高くなります。

Q5. 電子記録債権の仕訳(会計処理)はどうなりますか?

A: 電子記録債権の会計処理では「電子記録債権」「電子記録債務」という勘定科目を使用します。

国税庁の取り扱いに準じて、商品販売時は「売掛金」を計上し、電子記録債権が発生した時点で「電子記録債権」に振り替えます。でんさい割引を行った場合は「電子記録債権」を「現金預金」と「電子記録債権売却損(または支払利息)」に振り替えます。ファクタリングの場合は「売上債権売却損」を使用する点が異なりますので、経理担当者の方は勘定科目の違いにご注意ください。

Q6. でんさいファクタリングと通常のファクタリングはどう違いますか?

A: 最大の違いは「取扱機関」と「対象となる債権の種類」です。

でんさいネットの仕組みを活用するでんさいファクタリングは、でんさいネットに加盟する金融機関またはその関連会社のみが取り扱えます。対象となるのは電子記録債権(でんさい)です。一方、通常のファクタリングは民間のファクタリング会社が取り扱い、対象は一般の売掛債権(売掛金)です。でんさいファクタリングは金融機関の信頼性がある反面、選択肢が限られるという特徴があります。

まとめ:ファクタリングと電債(でんさい)の違いを理解して最適な資金調達を

本記事では、ファクタリングと電債(でんさい)の7つの違いを中心に、それぞれのメリット・デメリット、選び方の判断基準、2026年の手形廃止への対応まで詳しく解説してきました。

今すぐ資金調達したい方 → ファクタリングがおすすめ

  • 最短即日で現金化が可能で、緊急の資金ニーズに対応できます
  • 売掛先の信用力で審査されるため、自社の財務状況に不安があっても利用しやすいです
  • ノンリコース契約により、売掛先の倒産リスクを回避できます

コストを抑えて安定的に資金調達したい方 → 電債(でんさい)がおすすめ

  • 手数料が1.5〜5%と低水準で、継続的な利用に適しています
  • 2026年度末の手形廃止に向けた移行先として最適です
  • 分割譲渡が可能で、柔軟な資金繰りに対応できます

最適な資金調達を実現するための3つのポイント

  1. 「手数料の安さ」だけでなく「償還請求権の有無(リスク)」も含めてトータルで判断しましょう。手数料が安くても、売掛先の倒産時に弁済義務を負うでんさい割引が一概にお得とは限りません。
  2. 2026年度末の手形廃止を見据えて、でんさいの導入も視野に入れましょう。手形割引を利用中の企業は早めの移行準備が大切です。
  3. ファクタリングを利用する場合は、複数の会社から見積もりを取り、悪徳業者を避けましょう。手数料率が相場から大きく外れていないか、償還請求権なしの契約か、契約書の内容に不備がないかを必ず確認してください。

ファクタリングとでんさいは「どちらが優れている」というものではなく、それぞれに強みと弱みがある資金調達手段です。自社の状況、取引先の状況、資金ニーズの緊急性などを総合的に考慮して、最適な方法を選んでいただければと思います。

本記事が、あなたの資金繰り改善の一助となれば幸いです。