ファクタリングの必要書類を完全ガイド!法人・個人事業主別の一覧と取得方法
この記事の監修者
FundBridge ファクタリングスペシャリスト
監修者 FundBridge編集部
「ファクタリングを申し込みたいけど、必要な書類が多すぎて何を準備すればいいか分からない…」
「急いで資金調達したいのに、書類不備で審査に時間がかかったらどうしよう…」
このような不安を抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか。ファクタリングは銀行融資と比べて審査がスピーディーな資金調達方法ですが、必要書類を正しく準備できていないと、入金までに余計な時間がかかってしまうこともあります。
結論からお伝えすると、ファクタリングの必要書類は最低2〜3点で済むサービスもあり、事前準備さえしっかり行えば即日入金も十分に可能です。ただし、法人か個人事業主かによって必要な書類が異なりますし、2社間・3社間といった取引形態によっても変わってきます。
本記事では、以下の情報を詳しく解説していきます。
この記事で分かること
- ファクタリングの必要書類一覧(法人・個人事業主別の比較つき)
- 各書類の取得場所・取得日数・費用の具体情報
- 審査をスムーズに通過するための書類準備のコツ
- 必要書類が少ないおすすめファクタリング会社10社の比較
【結論】ファクタリングの必要書類一覧と取得ガイド
まずは結論として、ファクタリングの利用時に求められる書類の全体像を把握していきましょう。ファクタリングとは、企業や個人事業主が保有する売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却し、支払期日よりも前に現金化する資金調達方法です。銀行融資のような「借入」ではなく、あくまで「債権の売買」にあたるため、担保や保証人は原則として不要です。ただし、売掛債権が実在するかどうかや、売掛先の信用力を確認するために、いくつかの書類提出が求められます。
「書類が多くて大変そう」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。近年はオンライン完結型のファクタリングサービスが増えており、請求書と通帳のコピーだけで申し込めるサービスも登場しています。ここでは、一般的に必要とされる書類を一覧でご紹介するとともに、それぞれの取得方法まで詳しくお伝えしていきます。
ファクタリングで共通して求められる基本書類7種
経済産業省が推進する売掛債権の利活用促進の流れもあり、ファクタリングは中小企業の資金調達手段として広く認知されるようになりました。一般的なファクタリング会社で求められる基本書類は、大きく分けて以下の7種類です。
1つ目は本人確認書類(身分証明書)です。代表者個人の運転免許証やマイナンバーカードなどが該当します。2つ目は売掛債権の証明書類で、請求書・発注書・納品書などがこれにあたります。3つ目は入出金明細(通帳の写し)で、売掛先との取引実績を確認するために使われます。4つ目は決算書または確定申告書で、事業の財務状況を把握するための書類です。5つ目は商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)で、法人の場合に求められます。6つ目は印鑑証明書で、契約締結時に必要になることがあります。7つ目は取引基本契約書で、売掛先との継続的な取引関係を証明するものです。
ただし、これら7種類すべてが常に必要というわけではありません。ファクタリング会社によっては請求書と通帳の写しの2点だけで申し込めるところもありますし、法人か個人事業主かによっても必要な書類は異なります。
【一覧表】各書類の取得場所・所要日数・費用まとめ
「どこで手に入れればいいのか分からない」という方のために、各書類の取得場所・オンライン対応の可否・取得にかかる日数・費用を一覧表にまとめました。法務省の公式サイトでは、登記関連書類のオンライン請求方法なども案内されていますので、あわせてご確認いただくとスムーズです。
| 書類名 | 取得場所 | オンライン取得 | 所要日数 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 本人確認書類(運転免許証等) | 手元にあるもの | — | 即日 | 無料 |
| 請求書 | 自社で発行 | — | 即日 | 無料 |
| 入出金明細(通帳の写し) | 取引銀行・ネットバンク | ○ | 即日 | 無料 |
| 決算書 | 自社保管・税理士 | — | 即日~数日 | 無料(税理士依頼時は別途) |
| 確定申告書(個人事業主) | 自社保管・税務署 | ○ | 即日~数日 | 無料(再発行は税務署で) |
| 商業登記簿謄本 | 法務局窓口・オンライン | ○ | 窓口:即日 / オンライン:1~3日 | 窓口600円 / オンライン500円 |
| 印鑑証明書(法人) | 法務局窓口・オンライン | ○ | 窓口:即日 / オンライン:1~3日 | 450円 |
| 印鑑証明書(個人) | 市区町村役場・コンビニ | ○ | 即日 | 300~450円 |
| 取引基本契約書 | 自社保管 | — | 即日 | 無料 |
| 納税証明書 | 税務署窓口・オンライン | ○ | 窓口:即日 / オンライン:数日 | 400円(1税目1年度あたり) |
この表のポイントは、取得に日数がかかる可能性がある書類を事前に把握しておくことです。特に商業登記簿謄本や印鑑証明書は、オンラインで請求した場合に郵送で届くまで1〜3営業日かかることがあります。即日入金を目指す方は、あらかじめ窓口で取得しておくか、手元に有効期限内のものがあるか確認しておくとよいでしょう。
法人と個人事業主で異なる必要書類を比較
ファクタリングの必要書類は、法人と個人事業主(フリーランス含む)で異なります。国税庁が提供する確定申告書は個人事業主特有の書類ですし、商業登記簿謄本は法人にしか存在しない書類です。以下の比較表で、自分に該当する書類を確認してみてください。
| 書類名 | 法人 | 個人事業主 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 本人確認書類(代表者) | ○ | ○ | 運転免許証・マイナンバーカード等 |
| 請求書 | ○ | ○ | 売掛債権の証明として最重要 |
| 入出金明細(通帳の写し) | ○ | ○ | 直近3〜6ヶ月分が一般的 |
| 決算書 | ○ | — | 直近1〜2期分 |
| 確定申告書 | — | ○ | 直近1〜2年分 |
| 商業登記簿謄本 | ○ | — | 法人のみ(発行3ヶ月以内が目安) |
| 印鑑証明書 | △ | △ | 契約時に求められる場合あり |
| 取引基本契約書 | △ | △ | 売掛先との取引関係の証明 |
| 納税証明書 | △ | △ | 追加で求められる場合あり |
| 開業届 | — | △ | 確定申告書がない開業初年度の場合 |
表中の「△」は、ファクタリング会社によって必要になる場合とならない場合があることを示しています。つまり、法人の場合は「本人確認書類・請求書・通帳の写し・決算書・登記簿謄本」の5点が基本セットになり、個人事業主の場合は「本人確認書類・請求書・通帳の写し・確定申告書」の4点が基本セットになるとお考えください。
ただし、オンライン完結型のファクタリングサービスでは、これよりもさらに少ない書類で申し込めることも多いです。具体的なサービスについては、後ほど「必要書類が少ないおすすめファクタリング会社10選」のセクションで詳しくご紹介していきます。
ファクタリングの必要書類を1つずつ詳しく解説
ここからは、ファクタリングで求められる各書類について、1つずつ丁寧に解説していきます。「なぜこの書類が必要なのか」「どうやって取得するのか」「提出時の注意点は何か」といった点を具体的にお伝えしますので、初めてファクタリングを利用する方もぜひ参考にしてみてください。
本人確認書類(身分証明書)
犯罪収益移転防止法に基づき、ファクタリング会社は取引の相手方の本人確認を行う必要があります。そのため、ファクタリングの申し込み時には代表者(個人事業主の場合は本人)の身分証明書の提出が求められます。
一般的に認められている本人確認書類は、運転免許証、マイナンバーカード(個人番号カード)、パスポート(住所記載ページ含む)、住民基本台帳カード(写真付き)などです。いずれも有効期限内であることが条件になりますので、期限切れになっていないか事前に確認しておきましょう。
注意点として、健康保険証は顔写真がないため、単体では本人確認書類として認められないケースが多いです。その場合は、住民票や公共料金の領収書などの補助書類をあわせて提出する必要があります。スムーズに手続きを進めるためには、運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きの証明書を準備されることをおすすめします。
売掛債権の証明書類(請求書・発注書・納品書)
ファクタリングは売掛債権の買取サービスですので、「売掛債権が確かに存在していること」を証明する書類が不可欠です。民法第466条では債権譲渡の自由が定められており、ファクタリングはこの債権譲渡の仕組みを活用した合法的な取引です。
最も基本的な証明書類は請求書です。請求書には、取引先名、請求金額、支払期日、取引内容などが記載されており、売掛債権の内容を具体的に証明することができます。ファクタリング会社は請求書をもとに、売掛債権の金額や支払期日を確認し、買取金額を算出していきます。
請求書に加えて、発注書(注文書)や納品書の提出を求められることもあります。これは、請求書だけでは取引の実態を十分に確認できないケースがあるためです。例えば、発注書があれば「取引先から正式に注文を受けている」こと、納品書があれば「商品やサービスの納品が完了している」ことを裏付けることができます。
注意していただきたいのは、請求書の内容と通帳の入出金履歴の整合性です。過去の取引で請求書どおりに入金されている実績があれば、審査において大きなプラス要素になります。逆に、請求書の金額と実際の入金額に差異がある場合は、その理由を説明できるようにしておくとよいでしょう。
入出金明細(通帳の写し)
通帳の写し(入出金明細)は、売掛先との取引実績を客観的に証明するための書類です。全国銀行協会によると、銀行口座の取引明細は一定期間保存されており、窓口やインターネットバンキングで確認・取得することが可能です。
一般的には直近3〜6ヶ月分の入出金明細が求められます。ファクタリング会社はこの明細をもとに、売掛先からの入金が定期的に行われているかどうかを確認します。つまり、「この売掛先は過去にもきちんと支払いをしている信頼できる取引先か」を判断するための重要な資料になるのです。
紙の通帳をお持ちの場合は、該当ページをコピーまたはスキャンして提出します。ネットバンキングをご利用の場合は、取引明細のスクリーンショットやPDF出力でも受け付けてもらえるファクタリング会社がほとんどです。
ただし、注意点が1つあります。通帳の入出金明細には、売掛先以外の取引も含まれていますので、プライバシーの観点から気になる方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、事前にファクタリング会社に相談して、売掛先との取引部分のみをマーカーで示すなどの対応が可能かどうか確認してみてください。
決算書・確定申告書
決算書(法人の場合)や確定申告書(個人事業主の場合)は、事業全体の財務状況を把握するために求められる書類です。国税庁の確定申告書等作成コーナーではオンラインで確定申告書を作成・保存することもでき、過去の申告データを保管されている方も多いでしょう。
法人の場合は直近1〜2期分の決算書(貸借対照表・損益計算書)が求められることが一般的です。個人事業主の場合は直近1〜2年分の確定申告書(第一表および第二表、青色申告決算書または収支内訳書)を提出します。
ファクタリング会社がこれらの書類で確認しているのは、主に以下の3点です。1点目は事業が継続的に運営されているかどうか、2点目は売上規模と売掛債権の金額に整合性があるかどうか、3点目は極端な債務超過や経営悪化の状態にないかどうかです。
ただし、ファクタリングは融資とは異なり、利用者本人の信用力よりも売掛先の信用力が重視されます。そのため、自社の決算状況があまり良くない場合でも、売掛先が信頼できる企業であれば審査に通るケースは十分にあります。「赤字決算だから利用できないのでは?」と心配されている方も、まずは相談してみることをおすすめします。
なお、開業して間もない方で確定申告書や決算書がまだない場合は、試算表(直近の月次損益計算書)で代替できることもあります。また、確定申告書の控えを紛失してしまった場合は、税務署で「開示請求」を行うことで再取得が可能です。
商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
商業登記簿謄本は、法人がファクタリングを利用する際に求められることがある書類です。正式名称は「履歴事項全部証明書」といい、登記情報提供サービスや法務局の窓口で取得することができます。
この書類には、会社の商号(社名)、本店所在地、設立年月日、資本金、代表者の氏名・住所、事業目的などが記載されています。ファクタリング会社は登記簿謄本をもとに、申込企業が実在する法人であること、代表者が本人であることなどを確認していきます。
取得方法は主に3つあります。1つ目は法務局の窓口で直接請求する方法で、手数料は600円、即日で取得できます。2つ目は「登記・供託オンライン申請システム」を利用する方法で、手数料は500円ですが、郵送での受け取りになるため1〜3営業日かかります。3つ目は登記情報提供サービスを利用してオンラインで閲覧する方法で、手数料は332円ですが、こちらは閲覧のみで正式な証明書としては使えない場合がありますのでご注意ください。
注意点として、ファクタリング会社によっては「発行日から3ヶ月以内のもの」と指定している場合があります。以前に取得した登記簿謄本が手元にあっても、発行日が古いと再取得が必要になりますので、有効期限には気をつけましょう。
個人事業主の方は商業登記簿謄本の提出は不要です。個人事業主には商業登記の制度がないためで、代わりに開業届の控えや確定申告書で事業の実態を証明することになります。
印鑑証明書
印鑑証明書は、ファクタリングの契約締結時に求められることがある書類です。特に、対面での契約や債権譲渡登記を行う場合に必要になるケースが多くなっています。法務省が管轄する登記制度に基づき、法人と個人では取得場所が異なりますので、それぞれ確認しておきましょう。
法人の印鑑証明書は、法務局の窓口で請求する方法(手数料450円・即日取得可能)と、「登記・供託オンライン申請システム」からオンラインで請求する方法(手数料410円・郵送で1〜3営業日)があります。個人事業主の場合は、市区町村役場の窓口で取得するか(手数料300〜450円程度)、マイナンバーカードをお持ちであればコンビニのマルチコピー機でも即日取得が可能です。
なお、オンライン完結型のファクタリングサービスでは、電子契約を採用していることが多く、印鑑証明書の提出が不要なケースも増えています。書類準備の手間を減らしたい方は、電子契約に対応したサービスを選ぶのも1つの方法です。
取引基本契約書・業務委託契約書
取引基本契約書や業務委託契約書は、売掛先との間で交わしている契約書のことです。e-Gov法令検索で確認できる民法の規定に基づき、売掛債権が正当な取引から発生していることを証明するために提出を求められることがあります。
ファクタリング会社がこの書類で確認しているのは、売掛先との取引が継続的に行われているかどうか、契約内容と請求書の内容に矛盾がないかどうかといった点です。特に初めての取引先の売掛債権をファクタリングする場合は、取引関係を裏付ける資料として重要視されることがあります。
注意点として、フリーランスや小規模な個人事業主の場合、書面での取引基本契約書を交わしていないケースも少なくありません。その場合は、メールでのやり取り(発注確認のメールなど)や、クラウドソーシングサイトの取引画面のスクリーンショットなどで代替できることもあります。ファクタリング会社に事前に相談してみるとよいでしょう。
納税証明書・税関連書類(追加で求められる場合)
納税証明書は、すべてのファクタリング会社で必須というわけではありませんが、追加書類として提出を求められることがある書類です。国税庁の公式サイトでは、納税証明書の種類や交付請求の方法について詳しく案内されています。
納税証明書にはいくつかの種類がありますが、ファクタリングの審査で求められるのは主に「納税証明書(その3の3)」で、法人税や消費税に未納がないことを証明するものです。税金の滞納がないことは、事業の健全性を示す1つの指標になります。
取得方法は、税務署の窓口で直接請求する方法(手数料400円・即日取得可能)と、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用してオンラインで請求する方法があります。オンラインの場合は郵送での受け取りになるため、数日かかることがあります。
ただし、繰り返しになりますが、ファクタリングは融資ではなく売掛債権の売買です。そのため、仮に税金の滞納があったとしても、それだけで審査に落ちるわけではありません。ファクタリング会社によって判断基準は異なりますので、税金の支払い状況に不安がある方も、まずは相談してみることをおすすめいたします。
【フェーズ別】申込・審査・契約で必要な書類の違い
ファクタリングの手続きは、大きく「申込フェーズ」「審査フェーズ」「契約フェーズ」の3つの段階に分かれます。実は、すべての書類を最初から揃えておく必要はなく、段階に応じて求められる書類が異なるのです。ここでは、各フェーズで必要な書類を整理していきますので、「今すぐ準備すべきもの」と「後から用意すればよいもの」を把握しておきましょう。
申込フェーズ:最低限必要な書類(2〜3点)
中小企業庁が推進する中小企業の資金繰り支援策の一環として、近年のファクタリングサービスは申込のハードルが大幅に下がっています。多くのオンライン完結型サービスでは、申込時に必要な書類はわずか2〜3点で済みます。
具体的には、「請求書(売掛債権の証明)」「通帳の写し(入出金明細)」「本人確認書類」の3点が基本です。サービスによっては、請求書と通帳の写しの2点だけで申し込めるところもあります。
この段階では、ファクタリング会社がまず「売掛債権がどの程度の金額・内容か」「売掛先との取引実績があるか」をざっくりと確認し、買取の可否や概算の手数料率を提示してくれます。いわば「見積もりの段階」に近いイメージです。
即日入金を目指す方は、午前中のうちにこの3点を揃えて申し込みを完了させることが重要です。多くのファクタリング会社では、午前中に申し込みが完了した案件を優先的に審査し、当日中の入金に対応してくれます。
審査フェーズ:追加で求められることがある書類
申込後の審査フェーズでは、ファクタリング会社がより詳細な確認を行うため、追加書類の提出を求められることがあります。帝国データバンクのような企業信用調査会社のデータなども活用しながら、売掛先の信用力を総合的に判断していくのがこの段階です。
審査フェーズで追加提出を求められやすい書類としては、決算書・確定申告書、取引基本契約書、商業登記簿謄本、納品書・発注書などが挙げられます。特に、売掛債権の金額が大きい場合や、売掛先との取引期間が短い場合は、取引の実態をより詳しく確認するために追加書類が必要になるケースが多いです。
ここで大切なのは、追加書類の提出に時間がかかると、その分だけ入金も遅れるということです。あらかじめ「審査で求められる可能性がある書類」を手元に準備しておけば、追加依頼があってもすぐに対応でき、スピーディーな入金につながります。
契約フェーズ:最終的に必要な書類と注意点
審査を通過したら、いよいよ契約フェーズに進みます。金融庁はファクタリングに関する注意喚起を行っており、契約時には書類の内容をしっかり確認することが重要です。
契約フェーズでは、印鑑証明書(対面契約や債権譲渡登記を行う場合)、実印(契約書への押印用)、振込先口座の情報などが必要になります。オンライン完結型のサービスであれば電子契約で完了するため、印鑑証明書や実印は不要な場合がほとんどです。
契約時に最も注意していただきたいのは、契約書の内容の確認です。特に以下の3つのポイントは必ずチェックしてください。1つ目は「償還請求権の有無」で、償還請求権あり(リコース)の契約は、売掛先が支払えなかった場合に利用者が買い戻す義務を負うため、実質的に貸付と同じ性質を持ちます。2つ目は「手数料率が契約書に明記されているか」で、口頭での説明と契約書の内容が異なっていないか確認しましょう。3つ目は「その他の費用(事務手数料・登記費用など)が別途発生しないか」です。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで必要書類はどう違う?
ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2つの取引形態があり、それぞれ必要書類にも違いがあります。どちらを選ぶかによって、書類準備の手間やコスト、入金スピードが変わってきますので、しっかり理解しておきましょう。
2社間ファクタリングの必要書類
2社間ファクタリングとは、利用者(売掛債権の保有者)とファクタリング会社の2者間で取引を行う形態です。経済産業省が促進する売掛債権の活用手法の1つで、売掛先に通知せずに資金調達できるのが最大の特徴です。
2社間ファクタリングの基本的な必要書類は、本人確認書類、請求書、通帳の写し、決算書(または確定申告書)です。売掛先への通知が不要な分、手続きがスピーディーで、最短即日での入金が可能になっています。
ただし、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記を求められるケースがあります。これはファクタリング会社が債権の二重譲渡を防ぐために行うもので、登記を行う場合は商業登記簿謄本や印鑑証明書などの追加書類が必要になります。なお、債権譲渡登記は法人のみが対象であり、個人事業主は登記の対象外です。
3社間ファクタリングの必要書類
3社間ファクタリングとは、利用者・ファクタリング会社・売掛先の3者間で取引を行う形態です。売掛先にファクタリングの利用を通知し、承諾を得たうえで手続きを進めます。法務省が管轄する債権譲渡の法的枠組みのなかで、最もオーソドックスな形態といえます。
3社間ファクタリングでは、2社間の場合の必要書類に加えて、売掛先の承諾書(債権譲渡通知書への同意書)が必要になります。これは売掛先が「債権の譲渡を承知しました」と確認するための書類です。
3社間ファクタリングのメリットは、手数料率が2社間よりも低く設定されていることが多い点です(一般的に1%〜9%程度)。一方で、売掛先に通知する必要があるため、「取引先にファクタリングの利用を知られたくない」という方には不向きです。また、売掛先の承諾を得るまでに時間がかかるため、即日入金は難しいケースが多いでしょう。
【比較表】2社間 vs 3社間の必要書類・手数料・スピードの違い
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いを一覧表にまとめましたので、自分に合った取引形態を選ぶ参考にしてください。中小企業庁の中小企業白書でも、ファクタリングは中小企業の資金繰り改善策として取り上げられており、状況に応じた使い分けが推奨されています。
| 比較項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
|---|---|---|
| 基本的な必要書類 | 本人確認書類・請求書・通帳の写し・決算書等 | 左記+売掛先の承諾書 |
| 追加書類の可能性 | 債権譲渡登記関連書類(法人のみ) | 売掛先の会社情報に関する書類 |
| 手数料の目安 | 8%~18%程度 | 1%~9%程度 |
| 入金スピード | 最短即日~翌営業日 | 数日~1週間程度 |
| 売掛先への通知 | 不要 | 必要 |
| 書類準備の手間 | 比較的少ない | 売掛先の協力が必要 |
| おすすめの方 | 即日入金を希望・売掛先に知られたくない方 | 手数料を抑えたい・売掛先の協力が得られる方 |
結論として、「スピード重視で売掛先にも知られたくない」という方は2社間ファクタリング、「多少時間がかかっても手数料を安く抑えたい」という方は3社間ファクタリングが適しています。必要書類の準備という観点では、2社間の方が自社内で完結するため手間が少ないといえるでしょう。
必要書類が少ないおすすめファクタリング会社10選
ここまでファクタリングの必要書類について詳しく解説してきましたが、「できるだけ書類準備の手間を減らしたい」「忙しくて書類を揃える時間がない」という方も多いのではないでしょうか。実は、ファクタリング会社によって必要書類の数は大きく異なり、わずか2〜3点の書類で申し込めるサービスも増えています。
ここでは、必要書類が少ないおすすめのファクタリング会社10社を比較表とともにご紹介していきます。キャッシュフローに困っている状況でも、安心かつお得に資金調達できるサービスを厳選しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
| 会社名 | 必要書類数 | 主な必要書類 | 取引形態 | 入金スピード | 手数料 | 買取可能額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ビートレーディング | 2点 | 売掛債権の証明書類・通帳の写し | 2社間/3社間 | 最短2時間 | 2%~ | 制限なし |
| QuQuMo | 2点 | 請求書・通帳の写し | 2社間 | 最短2時間 | 1%~14.8% | 制限なし |
| ペイトナーファクタリング | 3点 | 請求書・本人確認書類・入出金明細 | 2社間 | 最短10分 | 一律10% | 1万〜150万円 |
| ラボル | 3点 | 請求書・本人確認書類・取引エビデンス | 2社間 | 最短60分 | 一律10% | 1万〜制限なし |
| 日本中小企業金融サポート機構 | 2点 | 請求書・通帳の写し | 2社間/3社間 | 最短3時間 | 1.5%~10% | 制限なし |
| OLTA | 2点 | 請求書・入出金明細 | 2社間 | 最短即日 | 2%~9% | 制限なし |
| FREENANCE | 3点 | 請求書・本人確認書類・入出金明細 | 2社間 | 最短即日 | 3%~10% | 1万〜制限なし |
| 買速 | 3点 | 請求書・通帳の写し・本人確認書類 | 2社間 | 最短30分 | 1%~ | 10万〜制限なし |
| アクセルファクター | 2点 | 請求書・通帳の写し | 2社間/3社間 | 最短即日 | 2%~20% | 30万〜1億円 |
| GMO BtoB 早払い | 3点〜 | 請求書・通帳の写し・決算書等 | 2社間 | 最短2営業日 | 1%~12% | 100万〜1億円 |
比較表を見る際のポイント3つ
1つ目のポイントは、必要書類数だけで判断しないことです。書類が少ないサービスは手軽に利用できる反面、手数料がやや高めに設定されていることがあります。手数料率と必要書類数のバランスを見て判断しましょう。
2つ目のポイントは、自分の事業形態に対応しているか確認することです。法人のみ対応のサービスもあれば、個人事業主やフリーランスに特化したサービスもあります。
3つ目のポイントは、手数料の「下限」だけでなく「上限」も確認することです。手数料率に幅があるサービスの場合、実際に適用される手数料は審査の結果によって異なります。
ビートレーディング(書類2点・最短2時間)
ビートレーディングは、累計取引額が1,300億円を超える業界大手のファクタリング会社です。必要書類はわずか2点(売掛債権の証明書類と通帳の写し)で、最短2時間での入金に対応しています。
最大の魅力は、法人・個人事業主を問わず幅広い売掛債権に対応している点です。買取可能額にも上限が設けられておらず、小口から大口まで柔軟に対応してもらえます。手数料率は2%〜と業界でも低水準の設定となっており、コストを抑えた資金調達が可能です。
注意点としては、手数料率に幅があるため、実際の手数料は売掛先の信用力や取引内容によって変動します。見積もりは無料ですので、まずは問い合わせて具体的な手数料を確認されることをおすすめします。オンラインでの手続きにも対応しており、全国どこからでも利用可能です。
QuQuMo(書類2点・オンライン完結)
QuQuMo(ククモ)は、請求書と通帳の写しの2点だけで申し込めるオンライン完結型のファクタリングサービスです。面談不要でオンラインですべての手続きが完了するため、忙しい経営者の方でも手軽に利用できます。
入金スピードは最短2時間と非常に速く、急な資金需要にも対応しやすいのが特徴です。手数料率は1%〜14.8%で、取引実績を重ねることで手数料が下がる傾向にあります。債権譲渡登記が不要なため、登記簿謄本や印鑑証明書を準備する手間も省けます。
一方で、3社間ファクタリングには対応していないため、手数料を最小限に抑えたい方は他のサービスとの比較が必要です。また、オンライン完結であるがゆえに、対面でじっくり相談したいという方には向いていないかもしれません。
ペイトナーファクタリング(書類3点・フリーランス特化)
ペイトナーファクタリングは、フリーランスや個人事業主に特化したファクタリングサービスです。必要書類は請求書・本人確認書類・入出金明細の3点で、最短10分での入金というスピード感が魅力です。
最大の特徴は、1万円という少額から利用できる点です。フリーランスの方は売掛金の単価が小さいケースも多いため、少額対応は大きなメリットといえます。手数料は一律10%と明瞭で、見積もり段階で手数料が確定するため、「実際にいくら手元に残るか」が事前に分かるのも安心です。
ただし、買取上限額が150万円と比較的低めに設定されているため、大口の資金調達には向いていません。また、手数料が一律10%のため、売掛先の信用力が高い場合は他社の方が安くなる可能性もあります。
ラボル(書類3点・土日祝対応)
ラボルは、フリーランス・個人事業主向けのファクタリングサービスで、業界でも珍しい土日祝日の入金対応が特徴です。必要書類は請求書・本人確認書類・取引を示すエビデンスの3点で、最短60分での入金に対応しています。
金融機関が休みの土日祝日でも入金してもらえるのは、急な資金需要が発生しやすいフリーランスの方にとって大きなメリットです。手数料は一律10%で明確であり、「週末に急に資金が必要になった」という場面でも安心して利用できます。
注意点として、東証プライム上場企業の株式会社セレスのグループ会社が運営しており、信頼性は高い一方で、法人向けの大口取引への対応は限定的です。法人の方は他のサービスも合わせて検討されるとよいでしょう。
日本中小企業金融サポート機構(書類2点・一般社団法人の安心感)
一般社団法人 日本中小企業金融サポート機構は、一般社団法人が運営するファクタリングサービスとして、非営利団体ならではの安心感があるのが特徴です。必要書類は請求書と通帳の写しの2点だけで、最短3時間での入金に対応しています。
一般社団法人という組織形態のため、利益追求を第一とせず、利用者の立場に寄り添ったサービス提供を行っている点が他のファクタリング会社との大きな違いです。手数料率も1.5%〜10%と良心的な設定になっています。2社間・3社間の両方に対応しており、状況に応じた使い分けが可能です。
ただし、最短3時間での入金が可能とはいえ、すべてのケースで即日入金が保証されているわけではありません。特に申し込みが午後になった場合は、翌営業日の入金になる可能性もあります。
OLTA(クラウドファクタリング・請求書と入出金明細でOK)
OLTAは、「クラウドファクタリング」を標榜するオンライン完結型のサービスです。必要書類は請求書と入出金明細の2点で、面談不要・完全オンラインで手続きが完了します。
OLTAの強みは、独自のAI審査システムにより、人的コストを削減することで手数料率2%〜9%という低水準を実現している点です。債権譲渡登記も不要であるため、追加書類の準備は必要ありません。大手銀行やメガバンクとの連携実績もあり、信頼性の高さも魅力です。
注意点としては、AI審査を採用しているため、イレギュラーなケース(取引実績が極端に少ない、売掛先の情報が少ないなど)では対応が難しい場合があります。
FREENANCE(フリーランス向け・初回書類3点)
FREENANCE(フリーナンス)は、GMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営する、フリーランス向けの総合サービスです。ファクタリング機能(即日払い)に加えて、あんしん補償(損害賠償保険)やバーチャルオフィスなどのサービスも利用できます。
ファクタリングの必要書類は、請求書・本人確認書類・入出金明細の3点です。初回登録時にこれらの書類を提出すれば、2回目以降は請求書を送るだけで即日払いの申請が可能になります。手数料率は3%〜10%で、利用実績に応じて手数料が下がっていく仕組みです。
フリーランスとして活動する方にとっては、ファクタリング以外のサービスも一括で利用できる利便性が大きなメリットですが、法人での利用はできない点にはご注意ください。
買速(書類3点・最短30分審査)
買速は、最短30分での審査完了を強みとするファクタリングサービスです。必要書類は請求書・通帳の写し・本人確認書類の3点で、スピードを重視する方に適しています。
手数料率は1%〜と業界最安水準をうたっており、コスト重視の方にもおすすめです。法人・個人事業主のどちらにも対応しており、10万円からの少額取引にも対応しています。オンラインでの手続きが可能なため、全国どこからでも利用できるのも便利な点です。
ただし、実際の手数料率は売掛債権の内容や売掛先の信用力によって変動しますので、見積もりの段階で具体的な条件を確認しておくことが大切です。
アクセルファクター(書類2点・審査通過率93%)
アクセルファクターは、審査通過率93%をうたう柔軟な審査基準が特徴のファクタリング会社です。必要書類は請求書と通帳の写しの2点が基本で、最短即日での入金に対応しています。
審査通過率の高さは、「他社で断られた方でも利用できる可能性がある」ということを意味します。赤字決算や税金の滞納がある場合でも、売掛先の信用力が十分であれば審査に通過できるケースがあります。買取可能額は30万〜1億円と幅広く、中小企業の資金需要に幅広く対応しています。
一方で、手数料率の上限が20%と比較的高めに設定されている点には注意が必要です。柔軟な審査基準の分、手数料が高くなる可能性があるため、他社との比較検討をおすすめします。
GMO BtoB 早払い(GMOグループ・大手の信頼性)
GMO BtoB 早払いは、GMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供する法人向けファクタリングサービスです。東証プライム上場のGMOグループ企業が運営しているため、大手ならではの信頼性と安心感があります。
必要書類は請求書・通帳の写し・決算書等の3点〜で、手数料率は1%〜12%と比較的低水準です。買取可能額は100万〜1億円で、中規模以上の売掛債権に強みがあります。
注意点としては、入金スピードが最短2営業日と、他社と比べるとやや時間がかかる点です。「今日中に資金が必要」という緊急性の高いケースにはあまり向いていませんが、「数日の余裕がある」という方にとっては、低い手数料率と大手の信頼性は大きな魅力といえるでしょう。
審査をスムーズに通過するための書類準備5つのコツ
必要書類を揃えるだけでなく、「審査をスムーズに通過するための準備のコツ」を知っておくと、入金までの時間を大幅に短縮できます。ここでは、ファクタリング審査で差がつく5つのポイントをお伝えしていきます。
請求書のデータ整合性を事前にチェックする
民法第466条に基づく債権譲渡の手続きでは、売掛債権が実在し、正当な取引から生じたものであることが前提となります。そのため、ファクタリング会社は請求書の内容を詳細にチェックします。
審査をスムーズに進めるために、提出前に以下の項目を確認しておきましょう。まず、請求書に記載された取引先名と通帳の入金元名義が一致しているかどうか。次に、請求金額と過去の入金実績に大きな乖離がないかどうか。そして、請求書の発行日や支払期日に不自然な点がないかどうかです。
特に、過去の取引で請求書の金額と実際の入金額に差異がある場合は、事前にその理由(値引き、相殺、分割払いなど)を説明できるようにしておくと、審査がスムーズに進みます。
通帳は直近3〜6ヶ月分をまとめて用意する
全国銀行協会の情報によると、銀行口座の取引履歴は一定期間保存されていますが、ネットバンキングの場合は表示期間に制限があることもあります。ファクタリングの審査では通常、直近3〜6ヶ月分の入出金明細が求められますので、余裕を持って6ヶ月分を準備しておくのがおすすめです。
紙の通帳の場合は、記帳を済ませた上で該当ページをコピーします。ネットバンキングの場合は、取引明細のPDFをダウンロードするか、画面のスクリーンショットを保存しておきましょう。この際、取引先名が表示される形式のものを選ぶのがポイントです。振込元の名義が表示されていない明細では、売掛先との取引実績を証明しにくくなってしまいます。
午前中に申し込んで即日入金の可能性を高める
即日入金を目指す場合、申し込みのタイミングが非常に重要です。中小企業庁が推進する資金繰り支援策を活用する際にもスピードが重視されますが、ファクタリングでも同様に、午前中の申し込みが即日入金のカギを握ります。
以下は、即日入金を実現するための理想的なタイムラインの目安です。
- 8:00〜9:00:必要書類の最終確認・スキャン・アップロード準備
- 9:00〜10:00:ファクタリング会社への申し込み(オンラインがおすすめ)
- 10:00〜12:00:審査(追加書類の依頼があればすぐに対応)
- 12:00〜14:00:審査結果の連絡・契約手続き
- 14:00〜15:00:入金処理(銀行の振込受付時間内に完了)
多くの銀行では15時以降の振込は翌営業日扱いとなるため、遅くとも14時頃までに契約が完了している必要があります。午後からの申し込みでは即日入金が難しくなりますので、朝一番での行動を心がけましょう。
二重譲渡を疑われないよう注意する
二重譲渡とは、同じ売掛債権を複数のファクタリング会社に売却することで、これは詐欺罪に該当する違法行為です。警察庁の見解でも、二重譲渡は刑事責任を問われる可能性がある重大な違反行為として扱われています。
「意図的にやるわけがない」と思う方がほとんどでしょうが、知らず知らずのうちに二重譲渡に近い状態になってしまうケースもあります。例えば、以前に別のファクタリング会社で売却した債権と同一の取引先・同一期間の請求書を、うっかり別の会社にも提出してしまうといったケースです。
審査時にファクタリング会社が二重譲渡の可能性を疑った場合、審査が長引いたり、最悪の場合は審査落ちにつながります。提出する請求書が過去にファクタリングに使用していない「新しい売掛債権」であることを、提出前に必ず確認してください。
書類不備でよくある失敗パターン3選と対策
金融庁がファクタリングに関する注意喚起を行っている背景には、利用者が十分な知識を持たずに手続きを進めてしまうケースが少なくないことがあります。ここでは、書類準備で特に起こりやすい失敗パターンを3つご紹介します。
失敗パターン1:印鑑証明書や登記簿謄本の有効期限切れ
これらの書類は「発行日から3ヶ月以内」と指定されていることが多く、以前に別の用途で取得したものをそのまま使おうとすると期限切れになっているケースがあります。対策としては、ファクタリングの申し込みを決めた段階で新しく取得し直すのが確実です。
失敗パターン2:通帳のコピーが不鮮明で読み取れない
スマートフォンで撮影した通帳の画像が暗かったり、文字がぼやけていたりすると、再提出を求められて時間をロスします。対策としては、コンビニのコピー機でスキャンするか、スマートフォンのスキャンアプリを使って明瞭な画像を取得しましょう。
失敗パターン3:請求書の宛先と通帳の振込元名が一致しない
グループ会社や子会社経由で支払いが行われている場合など、請求書の宛先と実際の入金元が異なるケースがあります。対策としては、事前にファクタリング会社に状況を説明し、補足資料(取引先からのメールや契約書の該当箇所など)を添えて提出することで、スムーズに審査を進められます。
請求書がない場合・書類が足りない場合の対処法
「手元に請求書がない」「通帳を紛失してしまった」など、必要書類が揃わない場合でも、すぐに諦める必要はありません。ここでは、書類が足りない場合の対処法をご紹介していきます。
請求書の代わりになる書類(注文書・発注書・契約書)
請求書がまだ発行されていない段階でも、資金調達の方法はあります。経済産業省も、中小企業の資金繰り改善のために多様な売掛債権の活用を推進しています。
具体的には、注文書ファクタリングというサービスがあります。これは、請求書の発行前であっても、売掛先から受け取った注文書(発注書)をもとに資金化できる仕組みです。通常のファクタリングが「納品後・請求書発行後」の段階で利用するのに対し、注文書ファクタリングは「受注直後」の段階から資金調達が可能になります。
また、業務委託契約書や個別契約書など、売掛先との取引関係を証明できる書類があれば、請求書の代替として認められるケースもあります。ファクタリング会社に事前に相談し、手元にある書類で対応可能かどうかを確認してみましょう。
通帳なしでファクタリングは可能?代替手段を解説
結論から申し上げると、紙の通帳がなくてもファクタリングは利用可能です。金融庁は銀行のデジタル化を推進しており、近年はネットバンキングのみで口座を利用している方も増えています。
ネットバンキングをご利用の場合は、取引明細のPDFダウンロードや画面のスクリーンショットで代替することができます。ほとんどのファクタリング会社が、ネットバンキングの明細を正式な提出書類として受け付けています。
ただし、完全に通帳(入出金明細)なしでファクタリングを利用するのは非常に困難です。なぜなら、入出金明細は売掛先との取引実績を客観的に証明するための最も重要な資料の1つだからです。口座情報が手元にない場合は、取引銀行に連絡して取引明細の再発行を依頼するか、記帳を行うなどして準備しましょう。
将来債権ファクタリングなら請求書発行前でも資金化可能
2020年4月に施行された改正民法では、民法第466条の6として「将来債権の譲渡」に関する規定が明文化されました。これにより、まだ発生していない将来の売掛債権を譲渡(ファクタリング)することが法的に明確に認められるようになっています。
将来債権ファクタリングとは、「来月以降に発生する予定の売掛金」をあらかじめファクタリング会社に売却し、先に資金を受け取る仕組みです。継続的な取引関係がある売掛先がいる場合、過去の取引実績をもとに将来の売掛債権を評価してもらうことができます。
必要書類としては、通常のファクタリングの書類に加えて、売掛先との取引基本契約書や過去の取引履歴がより重視される傾向にあります。将来債権ファクタリングはまだすべてのファクタリング会社で提供されているわけではありませんが、対応しているサービスも増えてきていますので、請求書がない段階での資金調達を検討されている方は、問い合わせてみる価値はあるでしょう。
悪徳ファクタリング業者を見分けるための書類チェックポイント
ファクタリングは合法的な資金調達手段ですが、残念ながら悪徳業者が紛れ込んでいるケースもゼロではありません。安心して資金調達を行うために、書類の観点から悪徳業者を見分けるポイントを押さえておきましょう。
契約書に「償還請求権あり」の記載がないか確認する
金融庁はファクタリングを装った違法な貸付行為に対して注意喚起を行っています。特に気をつけていただきたいのが、契約書に「償還請求権あり」と記載されているケースです。
償還請求権とは、売掛先が代金を支払えなかった場合に、利用者がファクタリング会社に対して買い戻しの義務を負うことを意味します。つまり、「売掛先が払えなければ、あなたが代わりに返してください」ということです。このような契約は、実質的には「売掛債権を担保にした貸付」と同じ性質を持ち、貸金業法に違反する可能性があります。
正規のファクタリング(買取型・ノンリコース)では、売掛先が支払えなかった場合のリスクはファクタリング会社が負うのが原則です。契約書に償還請求権に関する記載がないか、必ず確認してください。
手数料率が契約書に明記されているか確認する
消費者庁が運営する消費者ホットライン(188番)には、ファクタリングに関するトラブル相談も寄せられています。なかでも多いのが、「事前に説明された手数料と実際に差し引かれた金額が違う」というトラブルです。
悪徳業者の手口として、口頭では「手数料5%」と説明しておきながら、契約書には別の料率が記載されていたり、事務手数料・登記費用・出張費用などの名目で追加費用を請求したりするケースがあります。
対策としては、契約前に必ず「手数料率が契約書に明記されているか」「手数料以外の費用が発生しないか」を確認しましょう。見積書を書面でもらい、契約書の内容と照合することが重要です。少しでも不明な点があれば、納得するまで質問してください。
会社概要・登記情報で業者の実態を事前に調べる
ファクタリング会社を選ぶ際には、その業者が実在する信頼できる企業であるかどうかを事前に確認することが大切です。登記情報提供サービスを利用すれば、法人の登記情報をオンラインで確認することができます。
確認すべきポイントとしては、まず公式サイトに会社概要(会社名、所在地、代表者名、設立年月日、資本金など)が明記されているかどうかです。次に、記載されている所在地にオフィスが実在するかどうか(Googleマップで確認可能)。そして、設立からの年数や資本金の額が、ファクタリング事業を営むのに十分な規模かどうかです。
所在地がバーチャルオフィスやレンタルオフィスの住所だけで、実質的な事業拠点が不明な業者は注意が必要です。また、電話番号が携帯電話のみの業者や、固定電話に繋がらない業者も避けた方がよいでしょう。
よくある質問
Q1. 個人事業主でもファクタリングの必要書類は揃えられる?
A: はい、個人事業主でも問題なく揃えられます。
個人事業主の場合、基本的な必要書類は「本人確認書類」「請求書」「通帳の写し」「確定申告書」の4点です。法人と異なり、商業登記簿謄本は不要ですので、むしろ法人よりも準備すべき書類は少ないといえます。経済産業省も個人事業主のファクタリング利用を支援する方針を示しており、多くのファクタリング会社が個人事業主に対応しています。
Q2. 請求書のみでファクタリングを利用できる会社はある?
A: 請求書「のみ」での利用はほぼ不可能ですが、請求書+通帳の2点で利用できるサービスはあります。
ファクタリング会社は売掛債権の実在性を確認する必要があるため、請求書1枚だけでは審査ができません。ただし、ビートレーディングやQuQuMoなど、請求書と通帳の写しの2点で申し込めるサービスは複数あります。「できるだけ少ない書類で済ませたい」という方は、これらのサービスを検討してみてください。
Q3. 売掛先にバレずに利用するには何の書類が必要?
A: 2社間ファクタリングを選べば、売掛先に知られずに利用できます。
2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社の2者間で取引が完結するため、売掛先への通知は不要です。必要書類も自社で準備できるもの(請求書・通帳・身分証等)が中心ですので、売掛先に書類の提出を依頼する必要もありません。ただし、法務省が管轄する債権譲渡登記を行う場合は、登記情報から債権譲渡の事実が確認される可能性はゼロではない点にはご留意ください。
Q4. 2社間と3社間で必要書類にどんな違いがある?
A: 3社間ファクタリングでは、売掛先の承諾書(債権譲渡通知への同意書)が追加で必要になります。
2社間ファクタリングは自社で完結する書類のみで手続きが進みますが、3社間ファクタリングでは売掛先に債権譲渡を通知し、承諾を得る必要があります。その分だけ書類準備の手間と時間がかかりますが、手数料率は3社間の方が低く設定されていることが多いです。
Q5. 書類不備で審査に落ちた場合、再申し込みはできる?
A: はい、書類を整え直せば再申し込みは可能です。
書類不備が原因で審査に落ちた場合は、不備のあった書類を正しく準備し直すことで再申し込みが可能です。金融庁が監督する銀行融資とは異なり、ファクタリングでは信用情報機関への登録は行われませんので、審査落ちが今後の信用に影響することはありません。再申し込みの際は、前回の不備内容をファクタリング会社に確認し、同じミスを繰り返さないようにしましょう。
Q6. 確定申告書がまだない開業1年目でもファクタリングは利用できる?
A: 開業1年目でも利用できるサービスはあります。
確定申告書がない場合でも、開業届の控え・売掛先との取引契約書・直近の試算表などで事業の実態を証明できれば、対応してくれるファクタリング会社もあります。国税庁に提出した開業届の控えは、事業を営んでいることの証明として活用できますので、手元に保管しておくことをおすすめします。ペイトナーファクタリングやラボルなど、フリーランス特化型のサービスは開業1年目の方にも比較的柔軟に対応しています。
まとめ:ファクタリングの必要書類を完璧に準備して最短で資金調達しよう
本記事では、ファクタリングの必要書類について、法人・個人事業主別の一覧から取得方法、審査を通過するためのコツまで詳しく解説してきました。最後に、状況別のおすすめアクションと、書類準備の3つのポイントをまとめます。
今日中に資金調達したい方 → 書類2点で申し込めるサービスを選ぶ
- ビートレーディング・QuQuMo・OLTAなど、必要書類2点のサービスがおすすめ
- 午前中に申し込みを完了させることで即日入金の可能性が大幅に高まる
手数料をできるだけ抑えたい方 → 3社間ファクタリングも検討する
- 手数料率1%〜9%と低水準の3社間ファクタリングが有利
- ただし売掛先の承諾書が追加で必要になるため、時間に余裕がある場合に検討
初めてのファクタリングで不安な方 → 一般社団法人や大手のサービスを選ぶ
- 日本中小企業金融サポート機構(一般社団法人)やGMO BtoB 早払い(上場企業グループ)など信頼性の高いサービスで安心感を確保
ファクタリングの必要書類 準備3つのポイント
- 法人か個人事業主かで必要書類を確認する:本記事の比較表を参考に、自分に必要な書類だけを効率的に準備しましょう
- 取得に日数がかかる書類は早めに手配する:商業登記簿謄本や印鑑証明書はオンライン申請の場合1〜3営業日かかることがあります
- 必要書類が少ないファクタリング会社を選ぶ:請求書と通帳の2点で申し込めるサービスなら、最短即日の資金調達が可能です
ファクタリングは借入ではなく売掛債権の売買であるため、担保・保証人不要で、信用情報にも影響しません。正しい知識を持って書類を準備すれば、安心かつお得にキャッシュフローを改善することができます。まずは手元の書類を確認し、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。